2010年06月18日

狩猟民族

昨日は久しぶりに取引先の地元のビジネスパーソンとの昼食。久しぶりって意味は、彼と会うのが数ヶ月ぶりだって事とシティでお昼ご飯を食べる事が数週間ぶりだって事。

お昼ごはんを食べると眠くなるし、それよりは朝早くから昼飯抜きで午後2時頃まで一気に仕事してとっとと家に帰って夕飯食って早く寝るスタイルに切り替えたので最近はあまりお昼ご飯を食べる事はない。

香港生まれの奥さんからすれば飯を食わないなんてのは言語道断のあり得ない判断と思われている。広東語で朝や昼の挨拶、日本で言う“こんにちは”に一番近いのは「セッチョウファンメイア?」である。

これは「ご飯食べましたか?」と言う意味である。お返しに「セッチョウファンア、ンゴイ」と返すのだが、これは「はい、ちゃんと食べましたよ、ありがとう」となる。

それくらい「食べる」と言うことが生活の根幹にある(ある意味当然だが)人々からすれば僕のように「食べない」人間と言うのは理解しづらいどころか、こいつ病気じゃないかと思うようである。

しかし肉体的には至って健康である。

20年前のスーツが今でも着られるしタバコも吸わないし、ストレッチングも毎日やっている。たぶん食事をする際の消費効率が無茶苦茶良いので一日二食でもOKなのだろうと思っている。

まあそんな事は本題ではない。今日会ったビジネスマンはホークスベイを中心とするmaori族のボスの一人であるが、彼がまた新しいビジネスを作ったのでうちで販売してくれないかと言う話。

そういう話なら悪くはないと思いネタをいろいろと聞く。すると話の流れで世間話になったのだがその時に突然、「おい、日本の良い言葉を最近知ったよ」と言う。

何のことだと聞くと、「魚を毎日配るのではなく魚を取る方法を教えるのが正しい教育だ」ってこと。

俵百俵の改訂版ですなと思いながら、ほう、ずいぶん良いとこを指摘しているよね、まさにその通りだよねって話になる。

何故彼がこんな話を始めたかって言うと、先にこっちが「現在のような白人支配のニュージーランドは近視眼的なマオリの甘えが生んだのだ」というネタをふったからだ。

白人支配のうまいところは、アフリカ支配でも同じだけど、彼らに支援とか援助とか、名前は適当に付け替えながらも絶対に彼らに生産手段を持たせない、つまり奴隷のままに支配する仕組み作りである。

餌を目の前にちらつかせて内部分裂させて生産手段を持たせない政策によってアフリカは分断された。今の中東諸国でも同じである。国境の線の引き方を見ればあれが民族分断の手法である事は少し歴史を勉強すれば分かる事である。

マオリもこれと同じ手法で尚且つ狡猾にやられたものだから今だもって失業率は10%以上であるし若者がアル中や薬物中毒に陥っている。

白人によって表面的には白人もマオリも平等な扱いを受けているものの、精神的に強くないマオリは教育システムの中でオチこぼれるように仕組まれており、その事にマオリ自身が気づこうとしない。

「だから、魚と言う利権だけ貰って毎月お手当を貰うけど肝心な生産手段を持たないからMAORIはいつまで経ってもオトナになれないんだ。まさに日本の諺通りで、おれたちは魚を毎日あてがってもらうだけの立場になってしまった。おれは絶対に魚を取る機械を自分の手にしたいんだ」

彼はマオリ(まりおではない)として生まれ育ち若者の頃はずいぶんやんちゃをして今もかなりやんちゃではあるが、その血筋はかなり立派であり現役のマオリ国会議員ともオレオマエの関係である。

「おお、この前まで移民大臣してたあいつね、あいつとは子供の頃から魚釣りしてたよ、うん」みたいな感じである。

彼も今のマオリのだらしなさに不甲斐無さを感じているが彼自身マオリの持つ心の弱さをよく理解している。だからこそマオリに対する教育をどうにかしなければと常日頃思っているし、機会があるたびに周囲にもその事を訴えているがなかなか前進していないのも事実。

それにしても白人の支配方法ってのはたいしたもんだといつも思う。本当に彼らの場合、冷徹に相手を見抜いて個別に分断させてから叩き潰しにかかるから、生半可なやり方では勝ち目がない。

日本人は限られた場所で限られた材料を使って最高のものを作り出せるが、肝心の場所と材料はすべて英国製であるって感じかな、とにかくPCの世界でもインターネットの世界でもその発想とか最初にOSを押さえる上手さと言うのは彼らに敵わない。

しかしそんな事ばかり言ってたらいつまで経ってもやられっぱなしだ。マオリの彼と日本食を食いながらニュージーランドと言うアウェイだし白人の実質支配する土地ではあるが時には彼らに「おお、やるね」と言わせてやりたいな、日本人としての存在感を出していこうと思った。


tom_eastwind at 20:56│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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