2010年06月30日

中国大使に丹羽宇一郎氏が就任

中国大使に丹羽宇一郎氏が就任

考えてみれば今まで外国に派遣される大使ってのは基本的に外務省の役人だった。これからは民間大使の時代か。

これで海外で公金使って派手な生活して東京から役人や政治家がきたら一生懸命官官接待しておきながら、民間人が助けを求めて大使館の門を叩いても相手にもせずに「ここは君らの来るところではない」と開き直ってたのも今は昔になるのだろう。

ニューヨークで大規模テロ911が起こった時に民間人が日本領事館に助けを求めたらドアを締め切られたと言う有名な話がある。

基本的に大使館や領事館は自国の役人と政治家を接待する為の現地オフィスである。だから民間人が何かを期待して役所に行く事自体が大いなる勘違いである。外国においては日本人は自分で自分の身体を守らないといけないのだ。

僕自身が1990年代の香港で実際に領事館で領事と話していたときに起こった事件など目の前で起こった事だが、まさに民間無視の問題であった。

米国のようにたった一人の米国人が拉致されただけで軍隊が動き、在外領事館では米軍海兵隊がM16で武装して領事館に駆け込む民間人を守る為に戦うなんて事は、日本の領事館では起こりえない。(ホワイトナイトと言う映画、是非観て欲しい。米国人が領事館に駆け込む一瞬の緊張感だけでなく、バリシニコフの踊りも呆然とするくらい凄い)

それどころか北朝鮮から脱北者が集団で日本領事館に駆け込もうとした時などは中国の警察が法律上日本国内である領事館内に入り込むのを許して、彼らの落した帽子を拾ってあげるような腰抜けばかりだ。

駐米大使にも民間の知識人を送り込む話があるようで、これは実現するかどうか分からないが是非とも実現して欲しいと思う。

ただ現実的な面を見れば、この裏にあるのは小沢だ。

国民から選ばれてない外務省が今まで好き勝手に権利だけ盗って一切の義務を取らなかった“外交”を、自分の利益だけの為にやってきた“外交”を、きちんと国民から選ばれた政治家が責任を持って同じ目線の民間人とやると宣言した瞬間だというのが大きい。

日本の21世紀にとって最も大きな外交は米国と中国である。この超大国に挟まれた優秀な脳みそを持つ12歳の子供にとっては、これからの100年をどうやって戦っていくかが喫緊の課題である。その意味でやっと政治家が外交に直接取組むようになった。

丹羽氏の実力に関しては何も語る必要がない。その高潔な人格や能力は素晴らしい。例えば彼がある赤字なマイナー商社の社長になった時、最初に言ったのは「おれは最初の一年は給料不要」であり、彼は毎日自宅から会社まで電車で通ったと言う実績だ。口で言うのは簡単だが、誰が出来るか。

こういう流れが広がって欲しい。


tom_eastwind at 22:37│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース

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