2011年06月16日

スカイシティカフェにて

昨日に引き続きのネタになるが、オークランドにスカイタワーとその隣にスカイシティカジノがあるのはこの街を訪れた人ならだれでも知っていることだ。

 

日本では「カジノ〜!!!ダメダメ!そんなのだめ〜!」って怒りを振り回す人がいる中、オークランドカジノでは1000人以上の雇用を常に抱えホテルやレストラン事業も含めればおそらく純民間としてはトップクラスの雇用を創出する、さらに近隣の建物を再建して次々と街づくりをしている優秀な企業であるのも現実だ。

 

そして日本でカジノ反対と言ってる人も、では現在日本で行われている政府主催のばくち(競馬、競輪、競艇)や警察の子会社的なばくちであるパチンコを撤廃と言う話にならないのは面白いものだ。文句あるならまずはパチンコ屋に旗ふってみればどうか?

 

ところが旗ふる人間だって日頃の生活があり旦那がコンビニで働いててパチンコ屋の客がいつもそのコンビニを利用していたら言いたい事も言えない、そこは日頃のお付き合いがあるからパチンコ屋反対とはならない、これが結局現実なのだ。今そこに存在しないカジノは自分と利害関係がないからエラそうに反対出来るけど、目先の自分の利益と生活をネタにされた時にどうするか???世の中はきれいごとでは何一つ片付かないのが現実なのだ。

 

そんな今日、まさにスカイシティカジノが入ってるホテルのカフェでこの地域の再開発を考えている連中とお茶会議になったのだが、こいつら地元生まれの地元育ち、思いっきり言いたい放題である。

 

「カジノなんてのはxxから金を吸い上げる仕組みだよ、おれたちはあいつらが低賃金で稼いだなけなしの金をこの場所で使い切って、そこで吸い上げた金でこうやってカフェでのんびりするんだよ、たばこと同じ、xxに吸わせておきゃ俺たちの懐に金が入るんだよ」てな勢いであるから思わずこちらが「おいおい、声が大きくないか、ここはカジノの入り口で皆タバコ吸ってるんだぜ」と言うと、そいつはにやっと笑って「がはは!誰が文句あるんだ、言ってみろ〜!」だからこれ以上いう事もない。

 

でもってこの親父が「おいTomよ、日本はカジノは合法なんだっけ?」と聞かれて思わず「政府のやってるカジノは合法だけど民間でやってるのは違法だ」と言うと彼はけらけらと笑いだし「日本政府もうまくやってるな、自分だけぼろもうけかい〜」だって。

 

でもって来年あたりの日本でのカジノ解禁の状況を聞かれて石原東京都政などの一般論を話したのだが、この間中とにかく出てくる話はスカイシティを中心としたシティ再開発の話であり、一件が100億円単位である。

 

隣のバーのブースではテレビでクライストチャーチの最近また起こった地震についてアナウンサーが深刻な顔で「この街の再建には更に長い年月と費用がかかるでしょう、けれど誰もがクライストチャーチの復興を願ってます」としゃべっている。

 

けれどこのテーブルの現実は液状化して沈んでしまった街の話ではなく今ある金になる再開発の話なのだ。ちらっとテレビニュースに目を向けた一人の親父は興味なさそうにまたこちらの会話に戻って「ところでさ、このブロック(30m四方くらいの一画)、誰かがまとめて買えば10年後は大儲けだぜ」と笑ってた。

 

まあ荒っぽいというか「俺だけ儲ければいいんだよ」てか、近江商人の三方一両得なんて彼らには理解不能な世界であるが、そんな彼ら西洋人がこの世を支配しているのも事実。

 

彼らは同じ白人でさえ機会があれば狙って食う。ましてやすでにビジネスネタのないクライストチャーチの話など過去の事になっているのだ。

 

白人社会はほんとに食うか食われるかだなって思う。日本のように皆が無条件に信じ合って肩を寄せて一緒に成長しようよなんてのはない。

 

これからやってくる日本人も、この街に来るだけで幸せになれるなんてことは絶対に考えないでほしい。生きている限り戦い続けるしかない、とくに男は外に出て戦うしかない、それが男の仕事だ。

 

日本を出たらどうにかなるなんてあり得ないわけで、そんな甘い考えは「熱いフライパンに熱されて飛び出したらぐつぐつ煮える鍋に落ちちゃいました」となるのが落ちである。

 

ただ少なくとも今どうしようもない「日本」と言う国よりも、オークランドと言うこの街を新たな土俵として仕切りなおして戦うだけだ。

 

ひとつだけ希望があるとすれば、今の日本で価値観が合わない人、何となく日本っておかしいな、そう思ってる人にはこの街の方が戦いやすいということだ。少なくともこの国ではまともな理屈が通じる。

 

それから追加すればもう一つかな、この国は基本的に子供に対して優しい。どのような子供に対しても社会全体が守ろうとしてくれる。今日もあるお客様からうれしい話があった。日本にいる時は不登校だった子供がこちらに行き始めたら学校大好きになったというのだ、もちろん殆ど英語が分からない状態なのに。


ビジネスの社会では乱暴で子供っぽくて段取りも下手で行き当たりばったりの連中ばかりだが社会の底辺はきっちりと社会保障で守り社会の宝である子供は学校と地域で守られている、さあお父さん、あとはあなたが外に打ち出ていくだけですよ!

 



tom_eastwind at 14:29│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | NZの不動産および起業

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