2011年07月01日
アクサ調査
★記事抜粋開始
震災後の日本を任せたい有名人のトップに映画監督、タレントの北野武(ビートたけし)さんが推された。2位は小泉純一郎元首相、3位は石原慎太郎・東京都知事だった。
国籍を問わず、自由回答で答えてもらったアンケートの結果だ。アクサ生命保険が20〜50代の生活者1万人を対象に、震災後の人生観や価値観の変化を調べた。
東日本大震災を機に、働き方に関する意識も変化したようだ。震災前に比べて、「高収入を得たい」と考える人の割合は10.1ポイント減り、「出世したい・社内で認められたい」という答も5.2ポイント減った。一方、「家族の近くで働きたい」は5.1ポイント増えた。「仕事と家族なら、家族が優先である」も2.8ポイント増えていて、仕事観の変化を映し出している。
この調査は6月10〜13日にインターネット上で実施した。1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の男女1万人(男性5000人、女性5000人)から意見を聞いた。
★記事抜粋終了
ネタ元はこちら↓
http://www2.axa.co.jp/info/news/2011/pdf/110627.pdf
20歳から59歳の男女の意見でありネット環境にいる事が前提だからその意味では現在社会で毎日活動している中間層と考えてよいだろう。ほんとに今回の大震災が戦後の日本人の常識を少しでも変化させたのかもしれないと感じている。
家族の近くで働きたいってのは昭和の日本企業ではあり得ない考えであり国賊と言われてもおかしくなかった。仕事が忙しくて午前中に結婚式して午後から会社に戻るなんてのもありだった。
平成に入って日本が右肩下がりになりながらも中間層の人々はそれでも将来があると考えて高収入と出世を考えて60才からの楽な生活を夢見てたが「死んだら終わりジャン」と言う普通のことがやっと「普通の人々」の間でも理解されるようになったのだろう。
震災後の日本を任せるのがビートたけしってのはちょいと理解が難しい。日本に住んでいないのでテレビで彼を見る機会もないし週刊誌で彼が持ってるコラムを読んだりしても日本を任せるような人物にはどうしても見えないので、選んだ人々が世間知らずのお人好しなのか選ばないぼくが情報不足のバカなのか不明である。
日本人の一番得意な技とでも言うか、日本人は目的と手段をすぐに逆転させる。昭和後期は「家族の為に働いてるんだ!」と言うサラリーマンが残業と接待とで家庭の時間を作れずに結果的に家庭を壊しているのだが周囲もみな同じなので自分の矛盾に気づかずにいられた。特に右肩上がりで毎年給料が上がりボーナスで新しい車やテレビを買えるから家族も旦那の過剰労働を受け入れてきた背景もある。
しかしバブルが崩壊して昭和が終わり平成になると状況が変わった。仕事の目的が家庭の幸せであるのに手段を追求して残業しても昔のようには給料が上がらす週末に接待しても会社の評価には結びつかない。バブル期に購入したマンションのローンが家計を直撃する上にボーナスは減らされて新しい車も買えずに「あれ?これっておかしくないか?こんなに働いても家族が幸せにならないじゃんか」と気づくようになった。
そんな時に東北で大地震が起こり普通の人々が普通に生活をしていてもある日突然死んでしまう現実を目の当たりにして「これってもしかしておれだったかもしれないんだよね」となり、やっと目的と手段の違いが肌で感じるようになったのだろう。
この点、良くも悪くもキーウィは最初から60才での安定した人生はあまり考えていない。今日を楽しむ、今日を大事にする、今目の前にある家族を大事にする、将来的にどうするかも少しは考えているだろうが、基本は今日を楽しむである。
楽しみ過ぎて進歩がない国ではあるが(笑)、それでも彼らは1840年の植民地として開闢以来、あまり悩むこともなく楽しんで生きてきた。
「人生の成功者」などとものの本に書かれたりする人が果たして人生すべての分野で成功するかと言うとそんなことはないのは誰でも知っていることだ。
お金があっても他人を信じられずに精神的に貧しい生活を送っている人もいる。政治家として名を成しても子供が森さんちのバカ息子のようではどうしようもない。
けれどお金を作り立派な家族を作ったら作ったで今度はそこに至るまでに人生哲学をかなり学んでいるわけで、そんなもん学んだ日には毎日「人生とは?」なんて悩んでしまうから、結局どのような道を選んでも普通の人々が想像するような「成功者」なんてのは存在しないことに気付く。
そう考えたらモノに溢れているけどあまり幸せでない日本よりも、モノは少ないしシティでもよく停電するけど、毎日あんまり難しい事を考えずに楽しく仕事して、明日の事は明日考えようって感じで自宅でビールを飲みながらラグビーに興じるキーウィってのは銀行残高がゼロに近くてもとっても幸せなのだ。
けれどそんな事を言っても日本人はキーウィみたいに毎日をお気軽に楽しむ生き方には慣れてないしお気軽に考えることも出来ない。お気軽ではないけれど、でも今までの日本の生き方もどこか納得出来なくなっている、だからとても難しい状況になっているのだろう。
今日今すぐ判断する必要はないけれど、今を逃したらまたいつもの「311以前の生活」に戻ってしまい、次に行動を起こすことは出来ないだろう、そう漠然と理解している自分がいる。
日本人は外圧を食らうと確実に変化するが今回の地震は外圧でなかった、しかし破壊効果は外圧並みであった、だから皆が「さあ、どうしよう、どうすればいいんだろ??」と悩んでいるのかもしれない。
このまま自分だけが「人間らしい生活」や「家族を大事にする生活」に入ることは出来る、けどそれで世の中が変わらなかったら自分が落ちこぼれになるのではないか?そんな不安もある。けれど考えていても時間が過ぎていくだけ。今回だけは「先送り」がまずいんじゃないか、そんな気持ちもある。
アクサ生命保険のアンケート結果をみながら、これってほんとに難しい選択だよな、けど選択するしかないんだよな、うわ、大変な時代になってしまったなとつい思ってしまった。