2011年12月02日

ニュージーランドは天国ではない。

[ウィーン 29日 ロイター] 世界で最も「生活の質」が高い都市に、オーストリアの首都ウィーンが選ばれた。米国の組織・人事コンサルティング会社マーサーが、世界200都市以上を対象に調査したスコアを基にランク付けした。

 

 重大な犯罪が少なく、自転車用道路や公園も充実したウィーンは、インフラや路上の安全性、公衆衛生サービスの良さなどで高い評価を得た。

重大な犯罪が少なく、自転車用道路や公園も充実したウィーンは、インフラや路上の安全性、公衆衛生サービスの良さなどで高い評価を得た。

 

 トップ10にはチューリヒ(2位)、ミュンヘン(4位)、デュッセルドルフ(5位)、フランクフルト(7位)、ジュネーブ(8位)、ベルン(9位)と、ドイツやスイスの都市が多数入った。

 

 一方、最下位はイラクのバグダッド。アジア太平洋地区では、ニュージーランドのオークランド(3位)をはじめ、シドニー、ウェリントン、メルボルン、パースが上位20都市に入った。アジアの都市ではシンガポールが最上位で25位。日本の都市は、東京が46位、神戸と横浜が49位だった。

 

オークランドが3位と言うのは何となく理解できる。生活の質は確かに高い。教育とか経済とかレベルが低いと言われるが合計してみれば実に住みやすい国である。

 

シンガポールでスターバックスに入った時、分厚い目が目をかけてる中学生くらいの女の子がコーヒーを飲みながら分厚い参考書を左手に何だか一生懸命メモを取ってたのを見て後で他の人に聞くと、シンガポールでは教育がむちゃくちゃに重視されてて競争から落ちる事は許されない環境だとさ。

 

もちろん教育は大事なんだけど、それって本来の教育から外れて他人を蹴落とすだけの競争になってないか?ニュージーランドの教育は他人と自分を比較しない。自分の目指す夢に向かってどこまで成長出来るかがテーマとなっている。だからテストの時に隣の席に座ってる優秀な子供が風邪をひいたら喜ぶのが日本の教育であり隣の子供が風邪をひいたら自分の答案を見せて「ほら、早くメモれよ」と、ちょっとこづるいけど助けてあげるのがこの国だ。

 

自転車用道路も最近は整備されてきた。物価は他国と比較すればまだ安い。犯罪も、確かに銃犯罪は少ない。軽犯罪は目立つのだがその背景にある左翼主義的な発想はいずれぼくが首相になったら潰してやりたいと思うが、今の首相のジョン・キーがかなりやってくれるのではないかと期待している。

 

けどこのデータを見て「ああそうなんだ、良い国なんだ」と単純に考えてもらっては困る。何故なら良い国ではあるが同時に単純労働者には仕事がない。この国は最近の日本と同じで労働の二極化が進み、まともな教育と専門能力を持ってない労働者では食っていけない仕組みになっている。

 

この点、ニュージーランドに夢だけを描いてきても「食っていく」と言う現実の為にどうするかは真剣に考えておかないといけない。はっきり言えば普通の日本人と言うだけではこの国ではいつまで経っても中の下の生活しか出来ない。

 

貯金がありますとか親の資産がありますだったらそれで良いと思うが、自分ひとりの腕で稼ぎを取ろうと思えば決して「質の高い生活」を構築することはできない。この点だけはしっかりと理解してもらいたい。

 



tom_eastwind at 10:27│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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