2012年08月09日

原発のそばで住むって事

今日はりょうまくんの学校でいろんなグループが音楽を披露するGALACONCERTだった。今時の高校生、上手だな、とくにお隣のウエストレイクガールズハイスクール(WGHS)からやってきた4人組の女性コーラスなど、お金はらっていいレベルですぜ。

 

夕方の5時30分から始まり2分に分かれて最後のグループは夜の9時30分に終了するのだが、りょうまくんのコーラスグループ(30人くらいか)は最後から3番目だった。あいも変わらず楽しそうに歌うりょうまくんの顔は、見てるだけでこっちも楽しくなる。

 

たいしてうまくはないのだが楽しさが伝わるよねって奥さんと話しながら演目が終了。りょうまくんは「さ、片付けだ」と立ち上がって先生のところに行き、椅子や机の片付けを始めた。ぼくと奥さんは車に戻りしばらくすると戻ってきたりょうまくん、開口一番で「ね、みんなぼくが自閉症だったって言うとびっくりするんだよね」と言い出した。

 

何の話?と思って聞いてみると、コーラスのメンバーもりょうまくんが人一倍歌を楽しんでるのを見ていろいろと聴いたそうだ。その時に「おれさ、政府補償付きの自閉症だったんだよね」と話したらしい。

 

今のりょうまくんを見れば想像もつかないが、生まれてから5歳くらいまでは全く言葉を離さず、幼稚園に通う頃は香港で、小学校ではニュージーランドで両方の政府から補助を受けて特殊学級に通い、2年くらい前に何とか頭の中の霧が消えたようになり人と話すときも視線が合うし会話が出来るようになった。

 

話を聞いてるとりょうまくんのコーラス・グループは来週ウェリントンで開催される全国大会に参加して歌うとのこと。え?日帰りじゃないよね?って聞くと「4泊5日だよ」だって。おいおい、14歳の男の子にしては大旅行ではないか。

 

男の子ばっかりの団体で飛行機に乗ってウェリントンに行き、どこかのユースホステルに泊まるのだろうが、まあ楽しんでもらいたいな。

 

今晩のコンサートのチケットは一人15ドル、うちは夫婦で買ったので30ドル。他にも学校としていろんなイベントをやるので寄付よろしく!って張り紙がある。けど気持ち良いな、自分の子供が学校に満足して楽しんで時にはウェリントンにまで遠征に行くわけで、親からしたら寄付もしたくなる。

 

学校運営がうまいって思う。「ほら、あなたの子供がこうやって学校を楽しんでクラブ活動で頑張ってますよ。ところで学校ではクラブ活動を伸ばすためにこんな施設を作ろうと思うのですが、もし寄付をお考えでしたら校長までどうぞ」と、よく出来てる。ここ、公立ですぜ。

 

今日のコンサートは奥さんいわく「黒頭」ばかり。つまりアジア人が70%くらいを占めている。りょうまくんもアジア系キーウィなので70%に入ってるのだが、普段参加する活動の殆どはスポーツでそこは90%以上が白人の世界。どうもりょうまくんにとっては金髪も黒髪も関係無いようだ、これは自閉症の良い部分かな。

 

ウェリントンの大会でも楽しんでね、スポーツ楽しんでるのはわかってるからいい、宿題する時に寝るくせだけはやめようね、あはは、いずれにしても学校生活を満喫しているりょうまくんだ。

 

本題。今日たまたま原発関連の記事を読んだ。

 

この双葉高校の同窓会長でもあった田中清太郎元町長が、町への原発誘致を推進した。

http://news.livedoor.com/article/detail/6834237/

 

一つの高校が原発の為に閉鎖になり今は遠く離れた臨時のプレハブ校舎で勉強をしているとのこと。優秀な高校だったらしい。町を活性化させるために原発を誘致したとのこと。けれどその結果として誰も住めない町を作ってしまった。

 

町の人はおそらく町長の言う「原発は安全です!」をそのまま鵜呑みにしたのだろう。けどなー、言葉は悪いがそれは知らないうちに参加させられてた「ロシアンルーレット」みたいなものだ。

 

大変に言葉は悪いが原発とは何かを自分の頭で冷静に考えればどれほど危険なものかが分かったはずだ。町に住めなくなるリスクを取ってつかの間のお金をもらった。その結果としてロシアンルーレットの弾が飛び出した、バッキューン!

 

原発のそばで住むってのはそういうことだ。もちろん世の中には様々なリスクがある。交通事故、病気、飛行機事故、火事、けれど人々はそのリスクは快適な生活をおくる上での必要なリスクと理解した上で生活をしている。

 

原発だって最初から人々がリスクを理解していればここまでもめることもなかったかもしれない。原発の危険性を理解した上でそれでも原発の隣で畑を耕して学校に通わせることが合理的であると判断していれば自分たちの住む街がなくなっても文句をいうことはなかっただろう。

 

経済性と危険性をきちんと伝えずに良いことばかりを言う支配者。危険性を理解しようとせず自分でリスク評価しようとせずただ諾々と支配者に従う民。

 

ニュージーランドには原発はない。これからも作る予定はない。天からの恵みの水と石炭と地熱でやっていける。ニュージーランドだって良いことばかりではない。頭にくることはたくさんある。てか、ここ3週間くらい頭に来ることばかりで僕は個人的にすでに「切れて」いる。

 

けれど全体を見れば、やはり良い国だ。原発はないし子供を大事にしてくれるし子供に夢を与えてくれるし、もしりょうまくんが日本で生活をしていたら、おそらく今も自閉症のままだったろうと思ってる。その意味でこの国には本気で感謝している。

 

あなたは子供をどのような環境で育てたいだろうか?原発のそばで生活をして毎晩塾に通わせて家族で食事をする機会は週一って環境で、勉強ばかりしているけどその目標ってどこだ?良い大学に入り大手企業に入ることか?そして「ぼく、何すればいいんすか?」と先輩に聞くサラリーマンにしたいのか?

 

そんな夢でさえも隣にある原発が吹っ飛んだらどうするのか?ふとんが、ふっとんだー!では済まない話である。

 

 



tom_eastwind at 10:23│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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