2012年09月11日

ルーツ

東京での説明会と個人面談終了翌日からロードショーで福岡と沖縄を回る。移動の繰り返しでなかなかブログ更新出来ずと言い訳。

 

福岡ではお客様に地元の寿司屋さんにご招待頂き楽しい時間を過ごす。その時のネタは仏教。お客様は仏教に精通しておられ楽しい話を聞くことが出来た。

 

ぼくはすでに国籍は日本ではないがいわゆる菩提寺は禅宗のお寺である。

 

自分自身が興味がないままで菩提寺も数十年行ってないのだが、たまたま島田裕巳の「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか」を通読した後だったのでいろいろと検索してみたら、結構家系のルーツが発見できて興味深かった。

 

それによるとぼくの家系には古いお寺が2つあり南北朝の頃から続く歴史があるようだ。でもって直接の血縁でいくと出身は尾張地方で武士の系列、そこから関ヶ原の戦いの後に所領を得て現在の土地に一族で移住。

 

でもって江戸時代はどこにも城に繋がるお寺があり武士の系列だったので仏教の宗派の中でも自然と禅寺になった。爾来ずっとお寺の僧を続けており先祖のお墓も寺にある。

 

そっか、ぼくの先祖も今から400年昔に移住体験してたんだな、何となく感慨がわく。今のような飛行機もインターネットもなかった時代に瀬戸内海を渡ってやってきたってんだから大したものだ。じぶんがこんな仕事をやっているのも祖先の血のせいかと思ったり。

 

ぼくは両手の肘から5cm程度手首の方に向かったところに薄い横線がある。小学校の頃に「そこに線があるのが南方民族だ」って言われてた。つまり縄文人ですな。確かに先祖は瀬戸内水軍もあり九州なのでそれも繋がる。

 

ほんの偶然だけど島田裕巳の本に刺激されてちょっと調べてみただけでこれだけの事がわかり、いやー、インターネットの威力は凄まじいなと改めて感心する。てかその結果として過去の一族大移住のことも分かり、オークランドに戻ったらもうちょっと本格的に調べてみようかなと検討中。

 

うちのお客様は日本全体で見ると、東京神奈川に次いで福岡が多い。地理的に見ても福岡から上海に行くほうが東京に行くより近いわけで、大陸との交易は2千年以上続いてるわけで、地域性としても移住に抵抗のない人々なのだろう。

 

今ぼくがニュージーランドで創りあげようとしているバーチャル日本人社会もまだ始まったばかりだが、これが50年先に「ニュージーランドに住む日系人社会」のような形になるのだろう。日本人は基本的に現地社会に入ると現地に染まる傾向がある。郷に入っては郷に従え精神だろう、中国や韓国人との決定的な違いを感じる。

 

ただし集団で移住する場合はブラジルやハワイなど比較的に日系人社会が継続されるケースが多い。今回のニュージーランド移住も10年単位で見れば集団移住の傾向がある。

 

これから50年後にニュージーランドで生まれ育った日系人がある日ふと自分の過去を振り返ってみて「そっか〜、うちのじいさんの時代の日本ってこうだったのか〜、でもってこんな理由で家族で移住したんだな〜。それにしても今のような時空移動装置もユビキタスもなく現地情報だって文字と写真でしか知ることの出来なかった時代に、よくやったよね〜」と思うのだろう。

 

いつの時代も移住は大変な出来事である。時代の変化に応じて科学技術は発達しても人間の精神だけは積み重ねる発達というものがない。びびっては進めず、かと言って何もしなければ時代に取り残されてしまう。

 

九州博多には鎌倉時代に禅宗の栄西が開いた聖福寺がある。栄西にしても中国と日本を往復しつつ禅宗を日本に輸入した人物で自分の信じるものに情熱をかけた旅人である。千年前も今の時代もこれから先100年後の時代も人は生き続けて悩むだろう、その時に「何事も先達のあらまほしき事なり」とは徒然草の兼好法師の言葉だが「まだ見ぬ世の人と語る」ことで人生の指針となるものは人間が作り上げた過去の歴史であると気づくことが出来る。



tom_eastwind at 19:24│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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