2012年09月17日
フィッシャー&パイカル
この会社はNZの歴史ある大手電機メーカーだが最近のNZのドル高で輸出で苦労をしてたところに中国のハイアールが株の買い付けにやってきた。
これに対して早速テレビなどで政治家やコメンテーターが批判をしている。フィッシャー&パイカルと言えば日本で松下電器にあたるような古くからの伝統企業である。そのような企業を金の為に中国企業に売り渡すとは何事か!という趣旨である。
このニュージーランドでも中国人は嫌われている。中国企業の進出に対して市場原理社会でありながら何とか理由をつけて目に見えない壁を作り国民感情を代表して様々な形で中国企業の排除を仕掛けている。
最近では中国企業がニュージーランドの牧場や農場を大量に買い付けしようとして国民の反対にあい、現在もまだ買い付けに成功していない。これは政治家の反対というよりも農場経営者や一般市民の当然の感情である。
何故なら同時期に全く同じような牧場の買い付けがフランス企業から申請されたがこれは問題なく通っているからなのだ。
中国企業の問題は明確で、中国系企業は嘘をつく、商品を誤魔化す、民度が低い、自分たちだけで金を回そうとする、一旦買い付けしたらそれからは王様気取りで威張りまくって地元と馴染もうとしない、などなど多くの問題を抱えているからだ。
中国の経済規模からすればニュージーランドの民間企業を買い取る事は簡単であるがNZからすればまさに国難であり何としても食い止める必要がある。中国の企業が1年ほど前だかミルクのヒ素事件を起こしたが、あの会社は実はNZの大手食品企業が株主であった。事件後NZ企業は保証金を支払い株を売却して撤退した。
人の命に直結する食品でさえ平気で毒を売るような連中がNZに来て農産品やミルクを作ったらどんな事になるか?農業国家であるNZの評判は地に墜ちNZの農産物は輸出の5割近くを占めるが世界の信用を失ってしまい購入する国がなくなる。
今回は電機メーカーであるが、国民感情として「中国人にだけは売りたくない」という気持ちがあるのは当然だろう。今まで朴訥と気付き上げた信頼をたった一回の中国人の詐欺で失ってしまうのだから。
NZは現在は移民に対して開かれた国であるがそれは1980年代からの話であり、この国の中興の祖であるリチャード・セドン首相(在任期間1893年〜1906年)はその在任中に中国からの移民を「Yellow Peril」(黄禍)と呼んで移住禁止策を取ったほどだ。
実は中国からNZに来た移民の歴史は古く初期の移民は1850年代に遡る。当時世界中でブームになっていたゴールドラッシュがNZでも発生した。最初はダニーデンの郊外の川で砂金が採れた事から世界中から多くの砂金堀がやってきた。
そのうちの一部が清朝時代の中国人であり彼らはまさに尖閣一金、じゃなくて先獲一金を狙って家族から金を集めて船に乗ってダニーデンにやってきた。ダニーデンは1860年代には砂金堀が集まりゴールドラッシュの結果NZはで一番人口の多い街となった。当時の人口は25万人を越えた。
ところがそこに現れた中国人は、金を掘る博打で当てるとその金で家族を呼び寄せて砂金堀相手にもっと確実に儲かる商売を始めたのだ。それは薬局だったりレストランだったり散髪屋だったり、とにかく手先が器用な彼らは小型のしっかりした小屋を建てて砂金堀に住まわせて金を儲けた。
当時の白人は家を作る技術を持たずテント生活をしていたのだがそこに手頃な値段の雨漏りのしない家を提供したので商売は繁盛した。怪我をしたら薬、腹が減れば食堂、髪がぼさぼさになれば散髪屋と、とにかく中国人がダニーデンで台頭してきて経済を仕切るようになりいつの間にか安定した金持ちは中国人ばかりになりそれが白人の不満をかった。
もちろん自由主義社会であったから中国人が違法行為をやってるわけではない。しかし中国人は結局自分たちの事しか考えずに儲けた金で親戚を呼び寄せていつの間にか中国人社会を作り経済を牛耳り本家である白人をこき使うようになったのだから白人からすれば「ふざけんな!」である。
そのような状況を見たリチャード・セドンは子供心にも中国人の社会に与える影響の大きさを肌で感じていた。そこで彼が首相になってから中国人追い出しにかかりこの政策は1970年代まで続くことになる。
NZの中国移民は明確に2つに別れる。一つはダニーデンに1860年代に移住して完全に現地社会に根づいて医者や弁護士や会計士になった南島キーウィチャイニーズと、1980年代の経済自由化で中国人を受け入れるようになってやってきた香港人だ。だからオークランドに中国人が多くてもシドニーやバンクーバーのような古いチャイナタウンがないのは黄禍政策が原因である。
第二次移民である彼らは香港の中国返還後を恐れてやってきた香港人グループで当時の香港では600万人の人口のうち60万人が海外に流出した。この60万人は英語も出来る香港社会の中核層を担う40代の元気な家族であり、彼らはそれなりに英語圏の白人と付き合う要領も心得てたのでそれほど大きな問題もなく受け入れることが出来た。
しかしその後に大きな問題が起こった。1990年代後半に入り大陸中国で共産党幹部などをして賄賂で稼いだ大陸中国人がNZにやってくるようになったのだ。当時のNZの移民システムは性善説で穴だらけだったので大陸中国人は穴をほじくってはやってきた。
英語テストはすべて代筆、運転免許証も代理テスト、学歴もすべて偽造、一旦NZにやってきたらすぐに失業手当を申請して夜はカジノで遊びまわる大陸中国人は地元の人の怒りをかった。
バスに乗るときも列を作らず道に唾を吐きまくり他人をきにせずに大声で喋りどう見てもバカとしか見えない薄汚い顔で街を歩き英語は全く話さずに地元キーウィ社会と共存しようともせず。
1980年代にやってきた香港人は香港では知識層に当たるが1990年代にやってきた大陸中国人は英語も学歴も礼節もなく他人を騙して金を儲けることしかしないまさに黄禍でありこれこそ100年前にリチャードセドンが恐れていた状況だった。
それでも一応NZは自由な社会であり彼らが合法的に入ってくるのを認めたのは移民局であるから白人も何とか付きあおうとしたが、一旦彼らと仕事を始めてみると嘘ばかり。とにかく誤魔化して金を稼ごうとするその姿勢はキーウィとは全く一致せず問題は多発した。
そこで最近になってまた中国人排斥がNZでも目立つようになり、中国からの移民は実質的に殆ど不可能になった。ビジネスにしても中国人が絡む場合は極度に注意して出来るだけ共同事業はやらないようにした。まさに軒を貸して母屋を取られるのを防ぐ為の予防策である。
現在問題になっているフィッシャー&パイカル買収も株主が株を売るのは自由であり法的に止める事は出来ない。しかし国民としては納得出来ない話であり政府も何らかの対抗策を取らざるを得ない。
一応書いておくとキーウィから見ればアジアで一番高い地位にいて一番付き合いやすい人種は日本人である。街でチンピラに絡まれそうになれば「私は日本人です!」と言えば「なんだそうか、早く言えよ、帰る時は気をつけなよ」と言ってくれる、そんな冗談のような現実がある。
ぼくは昔暗闇でも光るJバッジを作って売ろうかと思ったくらいだ。結局やめた、何故ならすぐに中国人が買うのは目に見えてたからだ。
これはNZに限らずだが、基本的に中国人は嫌われている。ぼくら日本人は今まで日本で生活をしてきた態度をそのまま守っておけば世界で評価を受ける人種として受け入れてくれる。
今は尖閣諸島の問題で熱くなっているが、世界から見れば日本に利がある。その利を失わない為にも日本人らしくあるべきだろう。