2012年09月22日

偽造写真

奥さんが週末パスポート用の写真を撮るためにカメラ屋さんに行った。そこにはNZ政府が作成した「指定された写真のサイズや容貌の規定」が書かれている。

 

そこでごく普通に「写真撮って下さい」と言うと、ずいぶん荒っぽい雰囲気のカメラ屋の入り口に白い布をかけてその前に立たされたと思ったら、あっという間に撮影終了。

 

「あ、今ちょっと髪の毛が額にかかりすぎてませんか?」出来上がったばかりのデジカメ画像を指さして言うと「あ、大丈夫、すぐトリミングするから」だって。

 

はあ?パスポート写真は公用書類だよ、写真のトリミングなんてやったら公文書偽造じゃんか、そう思って聞くと笑いながら中国人カメラマン「全然問題ないよ!」だって。

 

呆れてものも言えない話だが中国人は写真を撮ったらトリミングして整形して綺麗に見せるのは何の抵抗もなくごく普通の事・・・だめっしょ!公文書偽造って意味わかってんのか?

 

けど文化の違いというか一事が万事、今の中国人にとって書類は偽造するのがごく普通になっている。永住権申請でも英語テストは代理人に受験させるし運転免許証も同様、大学の卒業証明書は正真正銘のホンモンを販売している始末だ。

 

その度にNZ政府は英語テストを受験する場合は写真付き身分証明書を提出させるのだが、そうなれば今度は同姓同名で年格好の近い代役を見つけてきたりする。

 

尖閣諸島問題で日本国内で様々な議論があるが、とにかくその議論はぼくから見たら如何にも日本的って言うか、平和ボケした感情論が多い。ぼくらの隣国に住んでいる人間を僕ら日本人の道徳基準で捉えようとするから話が合わない。

 

ニュージーランドはそのあたりかなり現実的に対応するから移民書類にしても中国人が作成したものは基本的に虚偽であると心構えて対応している。技能移民部門ではポイント制度になっており140点が要求されるが、このうち職歴と学歴はポイントが高い。

 

日本人が提出する場合は大学の卒業証明や以前の会社からの紹介状があれば点数がもらえるが中国人の場合はどれだけ書類が揃っても点数をもらえない、それは偽造されていることが前提だからだ。

 

なので最近の中国人の申請は起業家部門や投資家部門で申請するケースが増えてきた。ところがここでも資金証明が問題になっている。

 

投資資金ロンダリングというか、例えばAさんが投資家で申請してビザが取得出来るとそのお金をBさんに貸してBさんが投資家ビザを申請、BさんはAさんに金利を払って投資資金を返済する。すると今度はAさんがCさんにお金を貸して、と資金ロンダリングをやるのだ。

 

これに頭にきた移民局は資金を塩漬けさせる意味で投資期間を3〜4年と設定して投資先もNZ国債などに限定してその間にお金が流出する事の無いようにした。

 

けどそれでも中国人は何でもやってしまう。今度は投資資金を長期貸付するビジネスが現れた。中国国内のお金は基本的に年間5万ドルしか海外に送金出来ない。けれど中国国内移動であれば問題ない。

 

そこで中国内に金はあるが海外に持ち出せない資産家を対象に中国内で中国元を受け取りNZNZドルを渡すビジネスが発生した。

 

その次は、資金がないけど移住したい層を対象に4年間資金を貸しつけてその担保に投資したNZ国債やAA格付け社債を押さえる方法。受取利息や手数料を合わせれば4年で毎年利回り10%程度になる。

 

こんな事ばかりやってるものだから今度は移民局、資金の出処を明確にしてそれが納税された資金であり合法的に得た利益であり確実に申請者本人の居住国からNZの銀行に送金された金であることを証明するように義務付けた。

 

資金証明の厳格化は移民局の新ルールとなり、そうなるとこれはすべての申請者に対して適用されるから当然日本人もその枠内で資金証明をする必要が出てきた。

 

日本人の場合はわざわざニュージーランドに移住しようとする人には違法に収益を得るという発想がないから資金出処証明と言ってもピンとこない。いや、普通に数十年働いたり投資をして得た利益ですよ、けど日本の税務記録は6年程度しか遡って記録が残ってないから全部を証明するのは無理ですよねとなる。

 

ところが移民局の規定では過去にさかのぼって資金の全額証明を出せとなる。この矛盾はすべて中国人が創りだした竜巻の後のゴミみたいなもので、お前らが汚いことをしなかったら俺達がこんなにトラブルになることもないのに!って頭にくる話だ。

 

この規程、真面目な日本人であればあるほど腹が立つし、お客によく文句を言われる規定である。

 

ぼくはその度にこの規定の出来た経緯を説明して法の精神は違法中国人の排除にあるが条文となった状態では日本人にも適用される、但し法の精神は移民局は理解しているので、日本人の場合は適宜にやれば大丈夫と説明するのだが、それが真面目な日本人にとっては更に火に油を注ぐようなことになり怒りを買ってしまう。

 

あ〜あ、悪いのはあなたでもキーウィでもないのに、何で一番悪い中国人がそしりを受けずにNZ移民局が文句言われるのかね〜と思う、これも日本人が真面目であり国際化の意味を理解しずらい生活を送ってきたからだというのは分かるのだが。

 

こういうのが木曜日の弁護士との会議でやり取りされる一部であり毎日の移住の現場で起こっている実態です(苦笑)。



tom_eastwind at 16:46│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔