2012年09月24日
オークランドの自宅で奥さんに尖閣問題を説明する。
9月4日から香港、東京、福岡、沖縄と巡り、12日間のノンストップ出張から戻って来たのが9月16日でその翌日から出社してオークランドオフィスであんまり得意でないペーパーワークや社内会議、弁護士との会議、今回お会いしたお客様との今後の進め方を整理して担当者と打ち合わせして、そんな事してる間にもう一週間経ってしまった。
その間にも習近平は尖閣問題で一定の妥協を見せて現実路線に戻ろうとしているが、どうもこの習近平と言う人物、まだ本音が見えない。一体どこと組んでるんだ?今は軍部と組んでるようだが以前は太子党とも共青団とも言われてたし。それとも特定の政治派閥は持たずその時のバランスで行動しているのかも。
考えてみれば彼は子供の頃に文化大革命で下放された経験がありその苦しさは子供心に染み付いてるに違いないからどこか特定のチームと組むのではなく一匹狼であり、彼にとっては日本の存在はその時に応じて反日になったり親日になったりするのかもしれないな。
彼が次期共産党主席になるってのを隣国の日本が良い悪いと評価する立場にはいないが、この一週間で奥さんと話して感じたことは、実は中国人自身もあまり習近平の事をわかってないのだなってこと。
オークランドに戻った2〜3日後、奥さんのお姉さんから電話があり今中国で起こっている反日デモについて「そっちは大丈夫?」みたいな内容だったらしい。そこで僕に「ねえお父さん、今中国で何やってるの?」と聞いてきた。
考えてみれば随分国際的だな、オークランドで日本人の旦那が中国人の奥さん相手に日中問題を説明するのだからと思いながら今回のポーシーライ失脚事件から時系列でこの半年の中国の動きを説明すると「ほお、そんな事だったのね、この習近平って全然分からなかったけど、何となく人相悪いな〜って思ってたら、やっぱりそんな事だったのね、関係ない国を巻き込んでさ〜」と言いながら「いかにも中国らしい話だわね」と似が笑う。けど僕に謝る気持ちはない。
当然だ、彼女は生粋の中国人ではあるが共産党員ではなくましてや大陸中国人でさえない英国式教育を受けた香港人である。彼女は自分に責任のないことまで自分が直接被害を受けたわけでもない人間、つまり僕に何かお詫びをすることもない。
つまり責任もない人間が被害を受けたわけでもないのでここで日本風にごめんなんて言ってしまえば今週買う予定の美味しいオーガニック豚肉さえ旦那に文句言われて買えなくなる、だったら立場は明確にしようね、あたしにゃ関係ないからねって話にするのが一番だ。そうすれば中国と日本がどれほど領土で争いになっても今週の美味しいオーガニック豚肉は確保出来るのである。
この点が日本人の弱い点である。過去の、自分と関係のない人間の責任までかぶってゴメンナサイと言い続けて約60年、何かあれば金を渡してゴメンナサイ、性癖になっているのかって言いたくなるくらいだが、謝ってそれで済むのは日本くらいのものである。
中国人は基本謝らない。中国人がやった事でも自分は関係ないと言うし中国国家がやった事でもあれは政府の事、おれは関係ないと言うし、ましてや「お前も中国人なんだから謝れ」なんて言うと「お前バカか?何でおれが他人のやった事で謝るんだ?お前は国際常識があるのか?」と突っ込まれて笑われて終わりだろう。
なのに他人に対しては謝れという。過去の話であり現在の日本人に全く関係ないことでも国家として謝れ個人としても反省しろってなる。そして謝れば「じゃあ金よこせ」である。元々自分が言ってる事が間違っていることを知っていながら相手が謝るなら取れるところから取ってしまえという発想になる。
そんな人種を相手に日本人道徳を持ちだして考えようとするから「熱く」なるがそれは間違いだってのが今回の事件で理解出来た人も増えただろう。中国人と付き合うのはこっちも彼らの発想を理解する必要があるから大変なのだ。
それにしても中国は国際社会に認知されるためには今回のようなバカげた無法なデモが許されることではないとどうやら考え始めたようだ。デモで焼き討ちやった連中の逮捕を始めたがそろそろ習近平と胡錦濤の間で何らかの手打ちが行われたのか?
日中40周年記念行事をドタキャンしたけどその代わりに鳩山元首相や田中真紀子氏などを招待するとかで「段階的に」まとめに入ってるような今日だ。
上記のような流れを見れば結局中国にとっては日本も外交の中の「相手の一人」にすぎない。国内事情を進展させるためにとりあえず「そこにいた、叩きやすい相手」を叩いただけだ。このような時は冷静かつ毅然と対応して相手の国内事情を配慮した上で「貸しを作る」くらいの対応をするのが良い。
今回の尖閣諸島問題では米国の安保条約も効果があった。今後長期的に見て安保条約がいつまで続くか分からない。安保なき後は独自の軍隊を持つ必要が出てくる。安保がなくなってから軍隊の準備を進めても間に合わない。尖閣諸島問題を機に軍備強化について現実的に考える必要が出てきた。
それと同時に南アジア共栄圏も進めていくべきだろう。今回の事件で日本が引かなかったのは東南アジア諸国からしても喜ばしい事だ。今のうちに南アジア諸国と強い有効及び経済関係強化を進めるべきだ。その時こそ中国も「お、日本もやるな、次は注意しよう」くらいの気持ちになる。