2014年06月11日
大風の中で
高村光太郎ではないけど、昨晩は大風の中で過ごした。あんまり大風でうちのブロックは送電線が切れたのだろう、夜中から今朝までずっと停電、はは。
凄い大風でしたよ、起きたらベッドルームの外に植えてあった背の高さ1m位の白い花たちが全部なぎ倒されてました。
ラジオを聴いてたらオークランド市全体で15,000戸が停電になっているとのこと。しかしさすがは朝ラジオのキーウィ司会者、話が面白い。
「今朝は昨晩の大風の影響で市内15,000戸が停電になっており、交通信号が停止しているところもたくさんあるので十分に気をつけて下さい。それにしても今日がゴミ捨て日だったこともあり多くの家庭が昨日の夜にゴミ出ししてた事もあり、大風で枝や葉っぱやゴミが散乱してますねー、いやー、ほんと、まさに今日のオークランドはゴミの日です!」
朝はカーテン開いて陽の光で顔洗ったり髭そったり去りゆく頭髪を整えたりするんだけど今日の日の出は7時30分だから光が十分でない。ヒゲを洗って顔の皮を剃らないように注意が必要だけど、それより何より、寒い!
昨晩の大雨がすっかり大地の温度を奪ったようで、足元から寒さが来る。あんまり寒いのでベッドルームのヒーターを入れよとして停電してることを思い出し、じゃあ床暖房入れてる洗面所に行けばと駆け込むがここも停電でひんやり、やはり電気のある生活に徹底的に慣れてるんだなーって思う。
これが昨晩でワカヌイビーフステーキ焼いて食べる時に停電ならろうそく持って来て「キャンドルナイト」って楽しめるところだが、朝はきついですね(苦笑)。日本にいて移住を考えている皆さん、電気のある生活にあまり慣れてしまうと大変ですよ(笑)。
この国ではつい先年まで地方に行けば電気は自家発電、水は雨水なんて家が普通にあったので停電はどこの家庭も慣れたものだけど日本から来たばかりで停電にぶつかったらびっくりするだろう。
ただ僕が一つだけ困るのはニュージーランドの住宅はお湯についてはドラム缶みたいなシリンダーというやつに水を貯めこんで電気で沸かして使うのだが停電が数時間続くとシリンダーのお湯が水になりシャワーもお風呂も使えない。
まあいいや、その時は近くの市民プールのスパにでも入ろうと思いながら自宅の内ドアに続く駐車場に入り扉を開けようとすると、これも当然電気なので開かない。
仕方ないのでチェーンに付いた紐を引っ張って手動に切り替えてガラガラっと開ける。車を出したら一旦降りてまた駐車場に戻りガラガラと引き下ろして次に玄関から出て車に乗り込む。
車を走らせハーバーブリッジのあたりに来ると、今度は浜辺の浅瀬に打ち上げられたヨットがありびっくりだけど、更にハーバーブリッジに入ると大型のヨットが倒れかかるように橋桁に船体を横たえてますよ!いやー、昨晩の大風の激しさがよく分かる。
車の中でヒーターを入れて暖かい思いをしつつも、ほんとにこのニュージーランドって国は常に自然と隣り合わせだなって感じた瞬間でした。
けどま、それがこの国の良い所でもある。完璧に制御された日本ではまずあり得ない状況が次々と普通にやってくるのだけど、自然と共存する国民は笑って受け流して、むしろ楽しんでさえいるようだ、なにせラジオの司会者が笑って「今日はゴミの日!」なんて言って通るわけだから。
日本だとすぐ「不謹慎!」とか自己制御して結局面白くもくそもない国になるわけだけど、この国は笑い飛ばし冗談のネタにする。やっぱ、この国の人々って、精神的にタフだわー、そんな事を考えながらシティのど真ん中で朝から連続で外部会議、内部打ち合わせ(会議と打ち合わせ、どう違うのだろうか?)などと考えつつ気づいたらもう13時30分。
あー、なんだかもうこんな時間なら昼飯抜きでいいや、とりあえずランチルームにスタッフ用に常備している味噌汁と冷蔵庫の生卵を引っ張りだしてスターバックスのマグカップに放り込んで熱いお湯かけて混ぜてがーっと飲み込んで仕事再開(笑)。
結局自宅に戻った15時30分の時点で電気は回復しており、何とかお風呂に入れました、あーよかった、これで一日、無事終了です。さてっと、夕食作って本読んだりして知識吸収してとっとと寝ます(笑)。