2014年09月04日
シニアトラブル
今日何気なしにIcloudのカレンダー見てたら先月の24日から12日間ずっと働き詰めなのが分かった。オークランドから香港経由で東京の移動距離が往復で約1万5千キロ。東京から福岡までの往復距離が約2千キロなのでたった一日で東京から福岡を7往復するようなものだ。
でもって香港で1日仕事をして東京に移動して5日、大阪で2日、更に東京に戻って3日目、これから更に3日東京にいてそれから香港で2日仕事してオークランドに戻るのは9月9日だから17日全く休みなしが続く。今回は東京と大阪はキーウィ弁護士同行で英語だし香港では広東語で仕事なのでその度に頭も切り替えが必要だ。
それでも疲れがないどころかむしろ更にやる気が出てるのは、やはり自分が好きで納得出来る仕事をしているからだろう。糖質制限を始めて体調が良くなったのもあるが(笑)元気が出ている。そして実績として5万人の移住に向けて一人づつ居住者が増えていくのはうれしいものだ。
時にはトラブルもあるけどそれでも誠意を持って誠実に最後まで対応していく。狭いオークランド、長い付き合いである、絶対に逃げない。そして最後にはお互いに納得出来て以前のような良い関係に戻る。
さあよっしゃ、今日も3組続けての個人面談である、気合をいれていこう。
そんな気持ちで朝、鏡の前でYシャツ着てネクタイしてスーツ着て再確認。
✔ネクタイ曲がってないな、よし。
✔スーツが皺になってないな、よーし。
✔Yシャツに口紅ついてないな、よーし!(冗談ですよ、笑)。
さて今回日本に来てホテルから外出することが多く道行く人々や外出先の銀行の支店窓口やあちこちで老人を見かける事が東京でさえも多かったのだけど、何となく彼らの顔が、ぼくの感覚だけど「不貞腐れている」人が目立つようになった。
交差点の信号で待ってる60代のふちなしメガネをかけてポロシャツをきちんと着こなしてる男性が隣でタバコ吸ってるおっさんに「何やってんだ!ここは禁煙地域だぞ!」と文句言ってる。開襟シャツのおじさんが自転車に乗って車道を突っ走ってバスが思わず急ブレーキ踏んだりしてる。銀行の窓口で若い女性を怒鳴りつけるきちんとしたジャケット姿の60代がいたり。
なんかなー、これ。
もしかしてこれ、今回日本に来て感じたのが、いよいよ「シニアトラブル」が本格化してきたって事なのか。
団塊世代は安保闘争で負けて長い髪を切って日本社会のサラリーマン戦士として厳しい競争をチームを組んで闘いぬいてきた。彼らは常に周囲と同期して車を買うのも家を買うのも会社の運動会も慰安旅行も常に一緒でその会社社会の中で自分の位置づけをしっかりと「言わなくても分かる」状態で生きてきた。
ところが世の中は変わった。年功序列もなくなり仕事は成果主義に変更されて、現在の40代からすればゲームのルールを途中で変えられたようなもので「ふざけんな」であろう。
それでも団塊の世代は大丈夫、退職金もしっかり貰った逃げ切り年金世代であるから今一瞬は恵まれた世代に見える。
ところが今回感じたのは、もしかして彼らの心の中に何かぽっかりとした穴が広がってきてるのではないかって気持ちだ。つまり金ではなく、今まで若い頃から何の疑問も持たずに組織で生きてきた人々がある日突然その組織から卒業した。
卒業する前はたくさんの夢、やりたい事があったのに、それがゴルフや旅行だけでは限界がある。60歳で退職しても残りの人生は平均的に25年あるのだ。
何すればいーの?
今までは組織の中で誰かが常に指示をしてくれたし一緒に働く仲間もいた。共有する意識もあった。酒を飲んでお互いの背中を守り合う友達もいた。ところが退職して組織から外れてみると、自分をどうしていいのか分からなくなる。
「そんなはずはない、おれは濡れ落ち葉になるわけない」そう思ってた優秀な人々でさえ、実はそれは単なる自分だけの思い込みだった事に次第に気付かされる。
何かやってみよう、退職したらやってみよう、そう思ってた事を退職後全部やってみたら半年でやることなくなった。
会社にいた頃はそれなりに部下もいて取引先は頭を下げてくれた。けど今はラーメン屋の若い兄ちゃんにでさえ「単なるじじい」と思われてるんじゃないか、何となくあの店員の態度が俺に敬意を払ってない、気にっ食わないとなる。
銀行に行くと娘のような年の銀行員に年寄り扱いな対応をされて「おいこらふざけんな、お前の銀行はうちの会社にいつも取引して下さいって営業に来てただろうが!」と思うが、もう「うちの会社」ではない・・・。
何となく、そういうストレスが彼らの中に溜まり始めているのではないだろうか。結局、自分ってのを持つ訓練をしないまま準備不足で卒業してしまった人の苦悩なのかな。
日本社会のメジャーがオコリンボになってしまえば、これから日本はすんごいクレーム社会になるだろう。そしてどこかの線でぷっつんが起こり「ざけんなじじい!」運動が起こる。
そうなれば数的には強い団塊世代であるが、先に死ぬのは奴らだ!って言う若者の反乱が起こる可能性は十分にある。団塊世代、シニアトラブルはこれから注意をするべき現象だ。
これって僕の仕事とは直接関係ないけど、日本では社会問題になるんじゃないだろうか、ふと思った今日でした。