2014年09月09日

海外相続

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なぜ、そんなに儲けられるのか?  青色LEDの発明・開発者の代理人を務め勝訴に導いたことでも
著名な升永英俊弁護士の事だ。

 勝てば高額の報酬が得られる特許権訴訟に精通していること、また大企業や 富裕層の代理人を多く務める(逆にいえばニーズがある)ことなども要因の一 つであるようだ。 

 その典型例ともいえるのが、消費者金融大手だった「武富士」の武井保雄創 業者兼元会長(故人)の長男で元専務の武井俊樹氏が、保雄夫婦から贈与され たオランダの投資会社の株式を巡って申告漏れを指摘された件で、国税局を相 手取り、課税処分の取り消しを求めて提訴した件の代理人を務めた件。 

 何しろ、その申告漏れ額は実に約1600億円だった(課税額は1330億 円)。 

 海外移住、生前贈与による「課税逃れ」と見られる。現在ならアウトだろう が、当時はまだ規制が緩く、11年2月、最高裁で国側が逆転敗訴。最高裁の補 足意見では「著しい不公平感を免れない」と指摘されたものの、国側は訴訟間 の利子約400億円も上乗せした約2000億円を返した(個人への課税処分 取り消しでは過去最高額)。

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   アクセスジャーナルより抜粋:

 

僕の仕事の一つに海外相続がある。日本国内ではどうしても相続税が高く、とくに東京都内で不動産を保有しているけど相続税を払うための現金がないという場合が多い。

 

こういう場合は結局先祖代々の不動産を売却して納税、今まで住み慣れた自宅を手放して賃貸住宅に移るしかないのだが、これって法の精神=存在理由から考えて正しいのか?

 

つまり条項だけを見れば相続税は存在するし払わねばならないがその法的存在は社会的に公平なのか?個人財産を保護すべき国家が個人財産を合法的に奪うのは正しいのか?既に一度納税した資産に再度課税をすることは税法上の問題ではないのか?人を幸せにするって法の精神から見れば違法ではないかという事だ。

 

とは言っても法律の条文を作るのは相手、こっちは相続税法で戦っても勝ち目はない。そこで本来の法律の目的である「政府の行動に制限をかける」民法を使って戦う。以前も書いたが適用通則準拠法や居住地の判断などである。それが冒頭に紹介した武富士事件である。

 

多くの日本人は法律って国民を縛るものだと思っているが、法律の本来の趣旨は政府が無茶なことをやらないために手足を縛るように作られている。

 

そこで国民が無理難題を押し付けようとする政府に対抗するために民法が出てくる。

 

一番簡単なのは親子共に海外に転出して海外の国籍を取得することなのだが、現実問題としてそうはいかない。言葉の問題、生活習慣の問題、様々な壁が存在する。

 

ではどうしても最高税率55%の相続税を払わねばならないのか?

 

決してそういう事はない。戦い方は十分にある。海外に移住しなくても海外相続は可能である。日本国内に居住しつつ先祖代々の不動産を守りつつ出来るだけ税金を安くする方法はある。

 

では何故多くの人が国内法で対応して高い税金を払い苦しんでいるのか?それは多くの日本の税理士が国際(税)法に詳しくないからだ。

 

まず何よりも知っておくべき大事な点は税理士が適用するルールは国税局が一方的に「通達」したルールであり法律ではない。何で法律で決まった事でもないのに強制的に押し付けられるのか?そこに疑問を持つ必要がある。

 

武富士事件が最近の海外相続では一番話題になったが、何故武富士側が勝ったか?それは民法を味方に付けてたからだ。

 

国税局は実に賢く武富士事件で負けてからすぐに相続税法を改正したがそれでも民法の契約自由の原則を変える事はできずにいる。つまり民法が改悪になる前に手続をしてしまえば、つまり契約を締結して実行してしまえば当局は法の不遡及、遡って課税することは出来ない。(税法の場合最高7年遡って課税出来る)

 

香港で仕事を終わらせて定宿で荷物を片付けて「ふー、すんげー長旅だったな、休みなしで約3週間で毎日誰かに会って何か話してて」なんて思いつつふと記憶に出てきたのが東京で面談した海外相続のお客様の事だった。

 

武富士事件では結局法律を知る者が強くいられることを示した。一般の人々にとっては遠い存在である弁護士であるが、弁護士を使いつつ自分の権利を主張していくことがこれからの時代、普通になっていくだろうな、特に相続案件が激増するぞ。

 

しかし激増すると国税局も次々と法律を変えてくる。彼らの法改正の前にできる事をやっておく必要があるのが現実だ。縁起悪いとか言い出し難いなら黙って納税すれば良いだけのこと。

 

僕の仕事は常に当局の一歩前を走り続ける事だ。これをどう思うか、それは皆さんが判断すれば良い事だ。ただ僕は人々が本来主張出来るはずの権利を主張したければいつでもお手伝い出来る。だってそれが本来の人間があるべき姿、自分の家族を守るってことだもん。 



tom_eastwind at 17:52│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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