2014年09月23日

移民局英語

今朝数えてみると朝から12時までの時点で僕の個人メールだけですでに50件以上のやりとりをしておりその数は午後になるとますます増えていくわけだが、それでも電話以上に効率が良く助かる。

 

電話ってのは一つの時間で一人しか相手に出来ないし話した内容は記録に残らないし後になって大体において言った言わんの話になる。第一相手とこっちが同じ時間帯にせーのドン!で電話を取らなければいけない。

 

その意味で電話は効率が悪くクルマで移動途中に電話がかかってきても取れないし内容が不明瞭なので僕にとってはメールの方が分かりやすい。

 

メールは自分の好きな時間に送れるし相手のメールでもまず読んでみて今この瞬間の優先順位を決めて処理する。とくにメールを同時に三つくらい開いてそれぞれ少しづつ書きながらなんて、まるで自分の座ってるソファの周囲に5冊くらい本を置いて順々に数十ページづつ読むようなもので処理速度が早くなったりする。

 

中には思い切りのめり込んで一切他のことをせず画面に意識を集中させて10分位で一気に3,000文字くらい打ち込むこともある。ほんと、高校時代に英文タイプやっててよかったと思う瞬間である。

 

でもってでもって、英語も同様で、やはり早口のキーウィ英語で言われても時々意味が不明になることがある。特にスラング飛び交う日常会話は苦手だ。トピックが明快であれば良いが日常会話、つまり馬鹿話はどこに飛ぶか分からないし共通のOSを持ってないからこちらのソフトでは解析出来ない話がある。

 

だもんでだもんで文章でもらう方がよほど明確で気持ちよい。と昨日までは思ってた。

 

そういう気持ちが過去のものになったのは今朝の弁護士との話である。まずは英語を読める方は下記の文章を読んでほしい。移民局のサイトにある起業家ビザの要件に関してである。

 

BB1 Objective

The objective of this category is to contribute to economic growth by enabling experienced business people to grow or establish a high growth and innovative business with export potential in New Zealand.

Effective 24/03/2014

 

普通に訳すると下記のようになる。

「このカテゴリーの目的は経験のあるビジネスパーソンによって経済成長に貢献するか、“または”、成長著しくイノベーティブな輸出ビジネスの可能性があること」

 

僕はこの文章を巡って一ヶ月くらい弁護士と移民局の間でこの文章の定義を示せとわーわー言ってきた。普通英語を話す場合、orってのがあれば、その前文と後ろ文のどっちかって事になる。

 

つまり、「このカテゴリーの目的は

A:経験のあるビジネスパーソンによって経済成長に貢献するか、

“または”、

B:成長著しくイノベーティブな輸出ビジネスの可能性があること」

となる。

 

しかし移民局の読み方は違う。

A:high growth or,

B:innovative business or,

C:export potential.

となるのだ。

 

どういうこっちゃ?これが何回読んでも難解、そりゃぼくは英語は上手ではないけどこの程度の間違いはないはずだ、電話で聴いたわけでもないし文章で明確になっているのに弁護士がABCって言うものだから昨日はさすがに頭に来て朝から弁護士事務所に押しかけて「おい、お前はAuckland小学校卒か!この文章のどこがABCなんじゃ!」って文句を言ったところ、とんでもない返事が返ってきた。

 

彼はいつものにこやかな顔で「これはね、僕も何度も聴いたけど間違いなくABCなんだよ」という。どうしてという顔の僕に彼は「仕方ないんだよ、移民局が法律の条文書くときに間違ったんだけど3月に発表した法律を半年で書きなおすのもみっともないし、第一関連法案全部を訂正するとなると非常に手間がかかる。

 

なのでとりあえず法律の条文はこのままにして法案解釈担当の移民局テクニカルアドバイザーに質問が来たら「ああ、あれね、あれ間違い。なおすの面倒だからさ、まあいいじゃん、こうやってぼくがきちんと“正しい回答”を出してるんだから」となる。

 

呆れた国だと思ってたら、やはりここまで呆れた国でした(苦笑)。

 

日本で生まれ育った人にはまず理解不能だろうが、何せ法律に書いている事が間違ってるってんだから何を信じれば良いのか?って話である。ただこちらで生まれ育ったキーウィってのはやはり英国系の法律である「習慣法(コモンロー)」に慣れてるから法文よりも実態を重んじるって考えがあるのでそれほど気にならないようだ。

 

けどまあこういう現実があるから、単純に英語読めるだけでは手続きが進まないし間違ってドツボ、闇夜の地雷原に入り込んでしまうって事があるから僕らの仕事にも価値が出てくるわけだが、日本の法案作成担当者が聴いたらひっくり返るような話だろろう。

 

この手のネタで租税協定もあるんだけど、これはまた別に書きます。



tom_eastwind at 17:54│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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