2014年09月27日
土曜日に仕事
久しぶりに土曜日に仕事した。いや、仕事は24/7(これはNZで24時間七日働くって意味)でやってるのだけど、僕はAucklandにいるときは普段は週末にお客様と会う事はない。
ただ今回だけはぼくが月曜日から日本に行くのとお客様がその次の週から日本に一時帰国して次に会えるのが11月末という事でお互いに今日しか時間がないので昼前に予定を作ってお客様の自宅で打ち合わせ。
お客様の自宅を訪問してちょっと時間があったので広々とした庭を見せてもらったが、この客様とは2004年頃からのお付き合いであり庭の作りの一つ一つに思い出がある。
10年のお付き合いってのは日本では普通かもしれないがNZでは相当に長い。皆どんどんビジネスモデルを変化させて、昨日まで牧場で毛刈りしてた奴が今日からシステムエンジニアなんてのが当然の国では、個人として長い付き合いはあっても同じ仕事として10年となると少ない。
そんな長い付き合いのお客様でもお互いに週末は大事にしている。相手の時間、だって何のためにニュージーランドに来たんだ、週末まで仕事?って話だ。
もちろん個人的にバーベキューなどにお呼ばれすればこれは別の話、喜んで個人的に参加させていただくが、週末に仕事ってのは随分色気のない話であるから基本やらない。
しかし今回は色気がなくてもお互い時間もないのでやるしかない。約2時間、必要な打ち合わせを行いお互いにやること確認した上でそれから近くの日本食レストランに移動して昼食をいただく。
それにしても鉄板焼き。大黒系のお店増えたな−。料理の構成や味付けですぐ「あ、大黒だな」って分る。皆シェフとしては腕が良いので今のAucklandの発展には丁度良い展開の仕方である。けど他人の事は言ってられない、こっちも早いとこリトル福岡プロジェクト二号店進めなきゃと思いつつこの店の鉄板ステーキを食う。
誤解のないように言っておくと僕は日本アパッチ族(これ30代はまず知らない言葉、検索してみると面白いですよ)ではない。鉄板をステーキにしたものを食うのではなく、鉄板でステーキに焼いた牛肉を食っているのだ。
おお、良い肉ですね、細切りじゃなくてもサイコロでもいけるのに勿体ないと思いつつマヨネーズソースやすり下ろしソースで頂く。旨いな。あ、そうか、このソースなら細切りの方がソースが良く染み込みますね、そーすね。
食事をしながら来年の予定の話をしてみたりでこれも結局2時間近くランチミーティング(苦笑)。お酒もどうかと聴かれたが金曜日と同様で「帰りの運転があります」とお詫びして日本茶を楽しむ。何だ、お茶でも生きていけるじゃんかと思いつつも、けどあえて断酒なんてのも嫌だしなー、なんてしょうもない事を考える。
そう言えば金曜日のレストランではニーナ・シモンが流れてた。20代から聴いてる歌手で上品なブルースを歌わせたら世界のベスト10には入るだろう、シャンソンならイブモンタンとかと同様だ。下品なブルースであればRay Charles、大衆酒場のシャンソンならエディット・ピアフとかいるけど(笑)。ピアフはどっちだ?声は最高だけど品があるのか?美空ひばりか?などとしょうもない事を考える。
ただ日本食レストランに流れる音楽ってのは意味不明な場合が多い。ゴールドコーストの定食屋でサザンが流れるのは良いのか?どう見ても経営者の個人的趣味?ワニ肉を食わせるのでそれもありかと思いつつ白いプラスティックのお皿にかちかちと乗ったワニ肉を眺めつつ、ふーん、サザンとワニかって思ったりする。
土曜日の午後、新しくチームに加わったメンバーとお客様、無事に仕事も終了して爽やかに晴れた空の下、車を走らせる。
自宅に戻る車の中で思う。10年のお付き合い。皆さんはAucklandに移住してくるわけでありこちらはそのAucklandでオフィスを持って仕事をしているのだ。逃げることも誤魔化すことも出来ない。常に一つ一つの案件が真剣勝負であり直球でいくしかない。そうやって長い付き合いを続けてきた。そしてそれはこれからも続く。
英国でよく使われる言葉だが”My Word is my Bond” (私の言葉が私の保証)である。
テレビや冷蔵庫であれば販売員の愛想が悪くても説明が下手でも商品さえ良ければ売れる面がある。しかし僕の仕事は言葉にしたことがすべてであり相手の期待値を常に上回る結果を出せなければぼくの失敗であり失敗は許されない。なぜなら「私の言葉が私の保証」だからである。
今日も何とか一日、無事に仕事がうまくって良かった。そうやって作り上げた一日づつが積み重なって今まで約20年仕事を続けてきた。さ、次の20年に向けて前を向いて進んで行こう。