2014年10月19日

「正義を振りかざす君へ」 真保裕一

久しぶりにまともに一冊本を読んだ気がする。2年くらい前はもっと頻繁に本や映画ネタ書いてたけど最近の忙しさはぼくから映画を見る時間と本を読む時間を奪っている。よくないな。

 

この作者も息が長いな、良い作品を次々と出している。「ホワイトアウト「から始まり「アマルフィ」みたいなのもあるし、次々と舞台とテーマを変えてるが筆致が衰えない。

 

「事実を知らされず、ずっと人を恨み続けるのと、真実を知って乗り越えていくのとでは、どちらが尊い生き方かは考えるまでもないと思うんです」主人公の一言。

 

「けど同時にゴミの投げ捨てという小さな正義の問題ですら、大人たちは多くの場で見て見ぬふりを決め込んで仕方ないと自らを慰めている。むなしい現実を嘆いて終わる。」

 

「正義とは、果たされて初めて成立し、人から認められるものだった。掛け声倒れの正義の方が多く、だから大げさに声を上げて語る者を前にすると、警戒心が強くなった。」

 

貴方の正義は貴方の正義、しかし他人にも正義がある。100人いれば100個の正義があるのだ。お互いに正義と信じて他人の正義を否定すれば争いになる。他人の正義はそう簡単に否定できるものではない。

この事実を理解しない限りこの物語の物悲しさはなかなか理解出来ないと思うが、それが現実である。明日から会社の本棚入り。



tom_eastwind at 16:38│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 最近読んだ本 

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