2015年10月06日

Cafe +64

ラグビー日本が随分活躍している。南アフリカを破るなんて奇跡だ。その後の試合で負けたのは実力通り。ところがサモア戦でもまた勝った。

 

なんじゃこりゃである。すごいなー。クライストチャーチ生まれのキャプテンリーチマイケルは日本に帰化した日本国民である。勿論メンバーに他にも外国人助っ人がいるのは分かってても、これで日本人選手が磨かれてくれれば良いと思う。そして世界に触れていけばよいと思う。

 

ニュージーランドに住んでいるとラグビーは日常の生活に溶け込んでいる。どこの街に行っても普通にグラウンドがあって普通に皆がプレーしている。日本からも武者修行に来るラガーマンが多い。

 

この国ではラグビーって大事な社交でもある。ラグビーの試合の後にお互いに語り合い仲間を作る。「ラグビーは紳士の行う最も野蛮なスポーツでありサッカーは野蛮人の行う最も紳士的なスポーツである」

 

この言葉、よく分かる。僕がサッカーでどうしても納得出来なかったのが、ゴールを決めた選手がすぐにシャツをまくったり踊ったりする事で「一体どんなバカだ?」と思ってたが、なるほど元々野蛮人のスポーツなのだからそこで選手は野蛮人としての行動をしているから理論は完結している。

 

ラグビーでニュージーランドの現在の英雄はオールブラックス主将のリッチー・マッコウだ。政治的反対派がいるジョン・キー首相よりも国民には人気がある。同じ「しゅしょう」でも随分違う。どうせなるなら誰もが好きで政治カラーのないオールブラックスの主将だ、リッチー・マッコウが英雄になるってのは当然であろう。

 

以前はショーン・フィッツパトリックが国民的英雄で、小学校の子供のテストに当時の首相やショーンの写真を載せて名前当てさせてた、楽しい教育である。

 

ニュージーランドからは世界中にラグビーコーチなどでキーウィラガーマンが派遣されている。現地のワークビザを取得して、例えば日本ではソニー・ビル・ウィリアムスが有名だ。ラガーマンでNZのトップクラス、つまり世界のトップでありつつも現役のボクシング選手で、ラグビーの試合がない時はボクシングしてる。

 

そうやって世界に派遣されたキーウィ、時にはその国が気に入ってビザ取って地元女性と結婚してなんてこともよくある。

 

リーチマイケルは15歳で日本に留学してそのまま日本で生活をして日本人の奥さんをもらい日本に帰化して今は日本チームを率いる主将だ。

 

日本とニュージーランドのラグビー人間環境はとても良い。互いに親近感を持っている。これを更に広げていくことが出来れば、南半球の遠い国ではあるがもっと交流が増えてくる。

 

要するに飛行機代が高いからとNZではなくイタリアに行くならどうぞどうぞ、NZはあくまで確信犯的にこの国でしか出来ないことをするための国になり始めている、ラグビー、スキー、スノーボード、トレッキング、素晴らしい自然が広がっている。ヨットも盛んでアメリカズカップではNZ出身選手たちが常連である。

 

一回限りの観光ではなく目的を持って毎年やって来る、そうやって両国の人々が観光地だけではなく地元の人々の生活に触れ考えに触れ理解していけば何かあってもお互いに分かり合える。

 

最近東京調布で「+64」というカフェがオープンした。64?と思う人もいるだろう、これはニュージーランドの国際電話番号である。リーチマイケルはこの店の経営者でもある。ニュージーランドで生まれ育ち日本で生活してNZスタイルのカフェを開店させる。楽しくなる話だ。



tom_eastwind at 13:37│Comments(0)TrackBack(0)

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