2015年10月08日
ラテグラフィック
楽しいコメントを頂いた。+64について書いたら何と東京の町田にラテグラフィックというオセアニアンスタイルカフェがあるとのこと。何よりびっくりなのはそこでチーフバリスタを勤めてる男性を、僕は彼が赤ちゃんの頃から知っているって事だ。
狭い世界である。ニュージーランドと日本、距離的には遠く飛行機で11時間もかかるけど、今の時代Aucklandに住む家族が日本の両親とスカイプつけっぱなしでおしゃべりして、夕食の時は両親に見えるようにスカイプをテーブルに置くと一緒に食事している感覚、距離感ゼロである。
ましてやこれで、ガチで人間同士も交流をしているわけだから、これからのAucklandは面白くなっていくぞ。上昇気流に満ちているからだ。
けれどそんな波に乗れない人がいるのも事実である。ワーホリでやって来て何とか就職先を見つけてワークビザをサポートしてもらい永住権を取得して結婚もして子供も出来たものの、そこから後が続かない。Aucklandの現在の物価上昇や家賃高騰で今の給料ではやっていけない。
しかし自分のやってる仕事はワーホリでも出来る仕事なので給料上げてくれとも言えない。そのうちに生活資金が尽きる。永住権は取れたものの日本に帰るしかなくなる。
僕はこのブログでも何度も指摘している事だが移住とは人生における一大作業であり移住一世であるお父さんはとにかく夜も寝ずに死ぬほど働き地元で通用する技術を身に付けて給料を自分の手で獲得して家族を養う、もうこれしかない。
休日はなになにさん家族と楽しくバーベキュー、子どもたちは公園を走り回りーってのはすでに生活が安定している人の話である。生活の安定とは給与が取れること、金融所得があり毎年財産が増加することである。そうでなければ死ぬほど働け、それがニュージーランド移住を決めた人の責務である。
冒頭に書いたバリスタの男の子のお父さんを僕は長いこと知っている。奥さんと二人でちっちゃなレストランをクイーンストリートに開き一生懸命働いて成功させて大きな店舗に移りそこでも奥さんと二人で朝の仕込みからディナー終了後の片付けまで働き大成功させた。
客の9割はキーウィである。彼ら夫婦は本当によく働いていた。その時キッチンの横のバシネットに寝かされていたのが彼だ。
その彼も若者になってからは時間に関係なく一生懸命お父さんの店を手伝い店の切り盛りをしていた。お父さんが自分の集大成のような店を作った時は主にバーを担当していて僕が友達と飲みに行くとキーウィらしい屈託のない笑顔で「こんにちわー!」そっかー、あの彼が今は東京でバリスタやってるんだ。20年は長いな。
お父さんは移住一世であり彼が二世だ。お父さんは言葉の字面通り朝から晩まで一生懸命働いた。店を守り抜いて来た。そして子供はお父さんの作った土台の上で自分なりの生活を構築している。
彼のことだ、東京でもマイペースで楽しく生活をしているのだろう。やる気はあるしレストランの実務能力はあるし性格も人に好かれる、おまけにキーウィ育ちだから根っこが明るい。
一世のお父さんに言いたい。夢は食えないのだ。Auckland生活は甘くない。移住は家族のためであり自分のためではないと割りきってとにかく働け、この国に根ざすことが出来るまで。
ラテグラフィック。オシャレそうなお店である。