2015年10月13日

中国もQE(竜虎砲)発動

 

http://jp.wsj.com/articles/SB10458795949106054073204581289721069904868

 

中国ではいよいよやばくなってきた不動産投資によるバブル崩壊、欧米が景気後退して中国からモノ買わなくなって実体経済の冷え込み、ミャンマーなど南アジアの台頭による追い上げで青息吐息である。

 

おかげで中国がくしゃみしたら風邪引いたのが豪州という話であるから鉱山もやばし、住友商事が今期大赤字をこくのも鉱山投資であろう。

 

QEはリーマン・ショック後に米国が輪転機ぐるぐるをやってやり過ぎて円高、次は黒田総裁に依頼して「黒田バズーカ」という日本版QEをやって円安。そして追従するように次に欧州でもQE発動。そして今回は中国が輪転機ぐるぐるやってる。まるで輪転機ぐるぐるが地球一周したような勢いである。

 

今回中国では地方銀行が担保として持つ資産を中央銀行に担保として差し出して中央銀行は印刷したお金を地方銀行にばらまく。地方銀行はそのカネを企業に貸し付ける、表面上は。

 

しかし実態は不動産投資で失敗した企業がその不動産を銀行に時価ではなく簿価(購入価格、現在は半減)で担保として差し出し銀行も帳簿上の価格で中央政府に提出するから不動産バブル崩壊を中央政府が輪転機ぐるぐるで何とか押しとどめる。

 

すると通常起こるのは通貨のだぶつきでバブル!である。

 

銀行融資を受けた企業はそのお金をさらなる投資へ使うわけだ、何故なら世界中で景気が減速しており単純な輸出産業である中国企業は付加価値の低いものを売っているが、そんなもん欧米も日本も買わん。だから企業は利益を出すために本業と関係ない投資に走る。

 

温州商人というのがいて、彼らは中国内で主に金貸しをやっている、てかやってた。ところが今ここがほぼ全滅状態である。中国内で不動産投資主体で貸付をしてたのだがバブル崩壊と共に次々と大波に巻き込まれて流されたしまった。

 

その中でたったひとり中国から投資終了して無事生還をした人物がいる。それが香港で一番のお金持ちビジネスマンである李加誠である。彼は江沢民時代に中国投資を始めたが2年ほど前から北京の大型モールを地元企業に売却するなどして次々と資金を香港に回収、今年9月に最後の一つの会社を中国から撤退させた。見事なものである。

 

今回の中国の判断は間違いではない。中国は共産国家なのでいくらでも輪転機グルぐる出来る。その結果としてインフレーションが起こり通貨が下がれば輸出価格も下げることが出来る。けれど問題は、どれだけ安くても買う人がいなければ意味はないという事だ。

 

結局中国は長い好景気の間に高付加価値産業に移転しようとしたが地方政府や企業は目先の金儲けに目がくらみ産業転換に失敗した。そのツケがこれからやってくる。中国はこのQEで冷え込みそうだ。

ただ僕らが考えるべきは中国に対する溜飲を下げるのではなく、他国の大波が僕らの生活にどのような影響を与えるかである。吉と出る人もいれば凶と出る人もいるだろう。立ち位置によるしこの事を予め計算に入れてたかどうかにもよる。 



tom_eastwind at 17:45│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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