2016年06月10日
つるまない
数日前の「移住の風景」では渡航したら実生活が始まるわけでそうなると真剣勝負、常に頭を使って今何が出来るかを考えて実行することが大事だと書いた。
実際に永住権が取れてから2年経過して無制限永住権になった時点で先が見えず日本に帰る家族もよくある話だ。
けど2年あれば何か出来ただろう、誰かに頼らずに自分の腕だけでニュージーランド生活を維持するためにやれることはなかったのか。
続いて似たような時事ネタになるのだけど今度は自分自身の問題ではなく生活環境の問題である。
日本人の悪い癖として移住先でもすぐ日本人同士で「つるむ」というのがある。「子供の学校が同じで〜」とかだけですぐつるむ。
とにかく相手の背景も知らないままに仲間内でベタベタとひっついてお互いに自分の良い面だけを見せて仲良くなり「今度お茶でもー」で集まってお互いを褒め合うおしゃべりが始まりお互いどっぷりと「あたし、いけてるー」と自己満足に浸る。
何度か自己満足茶した後に今度は自宅パーティだ。ここでもお互いの料理を「素晴らしい!」とか「美味し過ぎー!」と褒め合う。ちなみにぼくはこの「〜過ぎー!」という単語を見かけた瞬間その使用者の国語力に疑問を持つ。
さて本題だ。お互い何時迄も良いことばかり言ってはいられない。現実の生活があるわけでそうなると今度はお互いに相手が自分に何か出来ることはないかと考える。
俺たち仲良いよね、だったら相手と自分のこれを組み合わせたらうまくいくぞと思ってビジネスをやろうぜって提案する。この時点ではお互いに了解している。
ところがこれはお互いが「自分の利益のため」にやっている。ビジネスが上手く行けば俺の頑張り、悪くなればあいつの責任だとなる。だから何か問題が起こると互いに「あいつが悪い」となる。
細部も詰めないままだから問題は当然解決しない。そのうち相手の悪い面が出てきていつの間にか大きなトラブルになる。
こんな狭い街であるからそうなるともう理屈ではなく感情論になってしまう。
日本のベタベタした人間関係が嫌だと思ってAucklandに来たのに更に同じようなトラブルに巻き込まれる。
それまでは良い友だちでありべたべた仲間だったのが突然敵になり戦いが始まる。そしてこの戦いはどっちが勝とうと関係ない、一旦壊れた人間関係は二度と元に戻らない。
ちょっときついようだが、ニュージーランドには遊びに来たのではないだろう。
日本人だからとつるむ前に自分が今の状況を進めるために、自分の身を守るためにもあえて日本人同士ではつるまないという選択肢も必要だと思う。