2016年07月12日
青い空
今日から日本出張である。週中で都内を周り週末で個人面談。
東京は猛暑と言われてるけど暑いから行かないというビジネス理論はあり得ない。これが何とか宗教だと「神が許せば」とかの理論も成り立つのだろうが。
そう言えばインドの観光ガイドの話がある。「じゃあ明日9時にホテルで」と言うと「神が許せばその時間にお伺いします」
「人間同士のビジネスにも神が存在すると考えるのは貴方の自由だけどそれは私の信じる義務にはあたらない。なので神が許そうと許すまいと私達の契約通りに9時に来てほしい。」
こう言うと彼は真面目な顔で「はい分かりましたその時間に契約通り必ずお伺いします、神が許せば」こうなるとビジネスが成立するんだろうか。暑さと神様の比較もどうかと思うがどっちも大変なインドで頑張っている日本人の皆さんはお疲れ様です。
さてAucklandの今朝10時の天気は真っ青な青空で気温10度。晴れた冬空の方が夏空よりも空気が透き通り「キレ」が良いと思う。
自宅を出て混みあう高速を抜けて空港に近づく。
それにしても空港周辺のこの10年の変化は急激である。15年前には空港を出るとすぐに牧草地が広がり右手に馬や羊が駆けまわってる、何とものんびりとした国際空港であった。
それが今は空港を出るといきなり大型ショッピングセンターとか運送会社の倉庫とかホテルとか、まさに隔世の感がある。
空港自体も次々と拡張されて何だかいつもどこかで工事して出来上がったら新しい搭乗ゲートだったりしている。それだけ世界中からのフライトが増加したという事であろう。
街の景色が次々と変わっていく。
Aucklandに住む異邦人としてずっとこの変化を観てきた。僕でさえ隔世の感なのだから50年前からAucklandに住む人にとっては驚くべき社会の変化であろう。
僕が初めて観た1970年代後半のAucklandは例えば週末のクイーンストリートがKロードからカスタムストリートまでスケートボードでノンストップで駆け下りられるような時代だった。
当時のNZの人件費は高く大企業は土日完全休日。クイーンストリートのお店はどこも入り口を鉄鎖などで閉めていた。
人々は手作りのサンドイッチとポットに入れたコーヒーを持って公園に行き子供たちを公園で遊ばせながら自然な生活を楽しんだ。
ところが1990年代後半からAucklandに変化が始まった。都市化である。シティの建物規制が緩和されてアパートが建つようになりアメリカズカップが勢いを付けた。僕が移住したのも丁度このあたりである。
そこから街の都市化は少しづつ進み始めた。新しい労働規制緩和、これで経営者は動きやすくなった。大きな米国資本スターバックスが出来て新しいコーヒー文化が始まった。ビジネスに勢いが出て来た。
途中リーマン・ショックで影響も受けたがすぐ立ち直りAucklandの都市化は次々と進み南太平洋の小島でありながら他の南太平洋の小島よりも発達して逆に交通もハブ化されるようになった。
そしてこの20年の社会の急激な変化にうまく適合した人々は成長して新しく出来たカフェで友人とコーヒーやディナーを楽しんでいる。
古い考えのままでいた人は今でも自宅でサンドイッチとポットに入れたコーヒーを作って近くの公園で食べながら周囲を観つつ「何て時代になったのかしらねー」とつぶやいているのだろう。
すべては変化である。変化に対応するかしないか。ただこれだけなのである。
それでもニュージーランドの良いところは誰にも変わらない明るい太陽と涼しい空気を与えてくれることだ。さ、出発。