2017年12月12日
原水協と原水禁
今年ICANと言う団体がノーベル平和賞を受賞した。日本は世界で唯一の被爆国である。ICANと原爆が結びついて原子爆弾問題に取り組んでいる。
同時に、元々は戦後の日本で総評、社会党系列のグループと共産党系列が原水協と言う組織を作り核の廃絶を世界に唱えていたが、共産党側がロシア(当時のソ連)の原爆実験は平和のためだから問題ないと主張した。
総評社会党は当然であるがすべての原爆実験を反対しており、ソ連であろうと原爆実験は認めない。そこで共産党と袂を分かって作られた組織が原水禁である。
以来原水協と原水禁は対立状態にあり今に続く。社会党は何でも反対だし当時の共産党はソ連や中國と仲良くしていた時代もあった。ところが社会党でも1970年代には東京のソ連大使館に出入りして現金もらってスパイしてた事もある。
戦後の日本にスパイ法案がなく東西冷戦時は各国のスパイが出入りし放題だった。テレビに出る文化人がソ連からカネをもらい、民間企業の社長がCIAのスパイだったり、もう何でもありだった。
その時代から続く原水協と原水禁の戦いは、見掛けだけは「平和!」とか「ピース!」とかであるが裏では勢力の奪い合いを行い平和の祭典を別々に開きそれぞれ動員数を競い今に至る。
日本では今回ノーベル平和賞を取ったと各地で喜んでいて、それはそれで平和で良いのだけど、内部では政治闘争が行われており原爆をネタにした両者の駆け引きが続いているのだ。
表面的な部分を観て単純に喜ぶだけではなく、ソ連共産党が原爆実験をすれば平和利用なのでOK、でも米国が原爆実験をしたら駄目と言う理屈の通る団体をどう考えるのか?
また現実的に原爆がなくなると「核の傘」がなくなり、更に言えば北朝鮮が核開発を行っている現状で、それでも核を否定するのか?
更に言えば今回のICANがどちらの組織と繋がっているのか。
そういう、世界の全体図を観て、その上でどうやって核を廃棄するかを考えないと、「ノーベル賞取った!やった!じゃあ明日も会社で働こう!」ってだけでは意味がない。