2017年12月17日
年末年始の始りだ。
今年の移民局のクリスマス休暇は12月22日に開始、再開は2018年1月04日である。
このクリスマス休暇が長いのは日本ではなかなか理解されづらい。
「移民局が休むって、その間の空港の入国管理局も休むのか?」と聴かれるが、もちろん空港の入国管理局が休むことはない。
この国の長い習慣でクリスマス期間は例えば首相が約一ヶ月の休暇を取る。首相が休むと、決定権を持つ首相がおらず閣僚も仕事が出来ないので休む。閣僚が休むとその下部機関である政府や組織も丈夫決定権者がいないので休む。
政府や組織が休むとその機関と連携を取る必要のある企業の上層部は相手がいないので自分たちも休む。
こうやって上の方からどんどん休んでいくのでクリスマス休暇機関中は実質的な判断が出来る人間がお休みでおらず下の方までお休みが広がっていく。
だからこの期間は弁護士も税理士もお休みして海外旅行したり国内の別荘でのんびり魚釣りしたりすることになる。
こうやってオークランドのシティのレストランの常連がオークランドからいなくなるのでレストランもクリスマスまで営業したら1月上旬までお休みになる店が多い。
それは移民局も同様で上部の人々は上記のようにお休みに入るのでこの時期は大事なビザの可否の判断が出来なくなる。
なので弁護士は自分のクリスマス休暇の前に手元に抱えてる案件を何とか処理するために激しい勢いでパソコンの前に座ってひたすら移民局にメールを送り続ける。
特に今年のように労働党とNZファーストが連立政権になると、この9年間の国民党に対する恨みはらさでおくべきか的な流れになり、移民局が中國からの申請を「落とすための審査」をやってみたり既にビザを発給した分についても遡って探偵を雇って落とそうとしてみたりするようになる。移民局は正義をさばく場所ではなく上部団体である政府の意向を実行するのみだからだ。
だもんで中国人顧客を持つ弁護士事務所は今年の終わりがパニック状態である。こっちが面談の約束してても平気でドタキャン、調査依頼をしてもなかなか進まずだ。今年彼等はクリスマス休暇中も携帯電話とパソコンは手放せないだろうな。仕事仲間であるからご愁傷様である。
ついでに言えば彼等弁護士と移民局とのやり取りは基本すべてメールである。直接担当者と会って話をするのは稀である。お互いに忙しいのに一件の案件の為に1時間も時間を取られてはたまらないってんでメール対応。
けれど空港で働く人々や公共バスや銀行の窓口など日常業務が必要な場所はカレンダー通りに営業している。
この、上から下ってのがどこまで下になるのかが明確でないので、ふだん日本で生活していると分かりにくいと思う。
オークランドのシティは12月24日のクリスマスイブをシティの教会で迎えたりするので人通りは多いが、12月25日になると一気に激減する。これはお正月の霞が関みたいなものでクイーンストリートを歩く人がほんとに減る。
今年は地下鉄工事であちこちで道路が穴掘りされているがこの工事は正月は休むのだろうか?
ハーバーブリッジはこの時期交通量が大幅に減るのでこの機会に毎年補修をする。1959年に作られた橋でそろそろ耐久限度に近づくので小まめな手入れが必要なのだ。
新しい交通手段として橋をもう一本かけるとか地下鉄をノースショアに走らせると言う案も出ているが当面は橋の道路の張替えと補強作業である。なのでクリスマス期間はハーバーブリッジを渡るのにも規制がある。でもまあ走っている車の数が激減するので交通渋滞が起こる事はないだろう。
さあ、年末年始の始りである。