2017年12月20日
後輩との飲み方
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「ただ、ふと思うことがあります。派閥の若い人から応援を頼まれて日程の調整がつかない時に、“オレが若いとき、あの人は骨を折って世話してくれた。ずいぶん忙しかったはずなのに、無理して時間をつくってくれたんだろうな”と。その感謝を忘れずに、次の世代に伝えていくことが大事だなと思っています」
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現自民党幹事長の言葉である。
僕が1970年代後半の福岡で仕事をしていた時、夜の酒代は先輩達が払ってくれたものだ。
申し訳ないので幾らかでもお金を払おうとすると先輩達が何時も言うことは
“俺は先輩に払ってもらった時に先輩に言われた。”
「これからお前の後輩が出来た時、そいつの収入は少ないだろう。だから俺が払ったカネをお前がお前の後輩の酒代に使ってくれ」
そうやって先輩が払った飲み代は後輩に伝わり、20代前半でお金がない僕でも中洲に通う事が出来た。
この飲み方は当時から今まで続いている。
自分の後輩に金を払わせない。
オークランドのような狭い街であるが飲みに行っても必ず同席した人の分は僕が払う。こういう非合理な仕組みはおそらく1990年以降はなくなったかもしれない。
けれど自分が18歳の時に先輩から教えられた決まりは守りたい。僕は後輩の飲み代を払う。後輩は、その後輩の飲み代を払う。払うカネがなければ飲みに行くな、である。
これが道徳的にどうかとか現在のビジネス社会で合致した考え方か、そんな事は考えない。何故ならこれは1970年代に僕が先輩と交わした契約だからである。
他の人がどうしようが関係ない、先輩から飲み代払ってもらった時はっきりと「後輩におごれよ、そして育てろよ」と言われたのだから。
現在の東京の30歳くらいのビジネスパーソンに理解出来るかどうかは分からないが、僕はそういう環境で生きてきたので、この考え方があると言うことを次の世代に伝えていきたい。