2017年12月28日
日米を動かす中國
米国サンフランシスコの中国系現役市長が急死した。まさか日本の大阪市長が慰安婦問題で「姉妹都市止めた!」と言ったから心臓麻痺を起こしたわけでもなかろうが、米国としては日韓の背景とその事実を裏では理解しつつも日本を非難するような像を受け入れたのは何故だろう?
これを考える時に思い出すのは、数年前に海外に住む中国人がそれぞれの国で日本に対して英語で歴史攻撃をかけてきた事件である。
尖閣諸島問題で日中が揉めた時に中国政府が取った外交手段であるが、独裁国家である中國では政治が一番上にありその下にある経済も外交も個人生活も政治に左右される。
そしてその政治は当然ながら政治局、突き詰めれば習近平に集中する。
つまり彼が作りたい国家を建設するためには海外に住む中国人まで利用して中國の影響力を与え見せつけ、時には米国の市長も自分の影響下に入れて頂点から末端まで同じ方向で動かすことが出来ると言う事実である。そして個人である中国人はたとえ現在米国籍を取得していても逆らえない。それが中国文化だ。
こうなると上から下までバラバラの「民主国家」である日本が戦ってどう勝つだろうか?民主国家の弱い点は個人の発言を認めて尊重するという点である。それから多数決。
中國の個人発言は限界があり多数決は存在しない。たったひとりの独裁者が全てを決定する。それは中国国民が肌で理解しており、どこまで言って良いかをきちんと理解して発言する。言い過ぎるとコーズウェイベイのように中國に強制送還されるのだ。
そしてこの独裁者は民主主義と呼ばれている国家には巧みな情報工作と政治家への接触を行っている。
米国では上記サンフランシスコのように既に中國の意見が通るような環境が作られている。経済も娯楽も映画もすべては中國主導になる。
これは全世界で起こっている事実でありその結果として中國の覇権が世界に広まっている。自由主義の米国でさえ歴史的事実と全く違った慰安婦像を中國の日本に対する覇権力を強めるために利用されているのだ。
この事実が良いかどうかなど議論の意味はない。中國で秦の始皇帝が国家統一をした際にも様々な意見が出たが結局始皇帝が全ての支配を行い結果的に戦争を減らした。
日本人はすぐに空理空論としての理屈を並べたがるが中國では自分の正しいと思ったことを通すために理屈を並べる。
米国において中國が直接自分の意見を通すためではなく韓国を利用してとりあえず日本に一枚カードを切っておこうという政策である。如何にも中國らしい手段だ。
これに対して本来日本がやるべき手段はまず大阪市長のやった「姉妹都市止めた!」であるし、次は韓国との取引停止であろう。丁度韓国が日韓条約である慰安婦問題を反故にしようとしている。
え?何で中国問題が韓国に?この2つの国は実質的に一つの国である。歴史を観れば分かるが中國は状況に応じて韓国を手先に使う。
良い機会である。日本外務省もこれを狙って慰安婦問題でカネを出したのではないか。今こそ韓国と明確に縁を切る。韓国にある工場を中國か日本かベトナムに移すことで中国に対して「今度は本気だよ」って姿勢を見せることであろう。
サンフランシスコで起きた事件はそこだけで終わりではない。中國にとって世界は自分の内庭なのだ。ここで日本が明確な姿勢をみせなければ中國は更に踏み込んでくる。
中國が日本と仲良くしようとする、その時には必ず裏の仕掛けも混ざっている。そのことを良く理解した上であえて中國ではなく韓国を叩く。これを奇貨として慰安婦問題の日本から観た事実を世界に伝える良い機会である。
サンフランシスコ事件は日本が被害者になるのではなくこれを機会に米国及び欧州に訴えるのだ。それが長い目で見て日本と中國の地位問題で大きな影響が出る。
それにしても日本は政治家も官僚も弱い。50年単位で物事を観ることの出来る人物が育たない仕組みになっている。これで日本が中國と喧嘩して勝てるのか?