2018年06月16日
家族と共に暮す権利
ある永住権申請の話。
ご主人は日本で働きながら奥さんと子供がニュージーランドに渡航してワークビザを取得して3年後に永住権申請をすることになった。
永住権申請の際に主申請者と付随申請者ってのがあり、通常はここにパートナーや子供を入れる。
すると移民局から手紙が来た。「あなたとパートナーの関係は純正ではない」。
英語で書くとgenuineとなり「純正」とか「真」とかになるが、え〜、一体何がおかしいのかと聴くと「パートナーってのは一緒に生活している相手である。一緒に生活していなければパートナーとして認めない」
う〜ん、そう来たか。これはもうキリスト教基準としか言いようがないな、「家族とは一緒に住むもの」
世界が西洋基準で作られててNZもその基準で動いているから「単身赴任」を理解する土壌がない。
戦後の日本だと単身赴任が普通である。江戸時代の参勤交代では下級武士は1年単位の単身赴任をしていた。
だから好き合っていても別居というのはごく普通の感覚。
それがNZでは認められない。ただしその理屈は分かる。家族とは一つなのだ。別々に暮らすのは家族ではない。
たしかに分かる。この国では家族と政府が直結している。途中に会社も無ければムラオサもない、直結型である。
しかし世界がこれだけ広がり様々な道徳基準が入り込んでいるのだから「単身赴任」をもって結婚は純正ではないとか言う前に申告者の国の事情をちょっとばかり調べようよって思うのはぜいたくだろうか。
いずれにしても彼らは同居を開始すれば永住権申請が出来るので問題はないが。
tom_eastwind at 17:12│Comments(0)│
│諸行無常のビジネス日誌