2018年07月07日

外国には出たけれど




雑誌の特集やネットで検索すればすぐ出てくる。候補地としては、やはりカナダ、豪州、ニュージーランドが上位に来るが、どこも生活費が高い。現地できっちりとした働けるビザを保持して確実に働ける場所を得ることが第一である。

 

そして問題は、自分は大学院卒業で博士号があって、だから研究職とか統計学とか就職先はあるよと思っても、田舎の社会構造ではそういう仕事は真っ先に地元エリートの子どもたちが得ることになる。つまり学歴が良くてもよそ者が入り込むスペースはあまりないのだ。

 

そりゃ20年前なら生活費はカナダもNZも日本と比べてそれなりに安かったしビザも取りやすい状況だった。日本人というだけでガイドやレストランや旅行会社の仕事もあった。あの頃に移住して足元を固めた人はそれなりに住居も確保しているだろう。

 

しかし今の時代に上記どの国に行くにせよビザと資金は大きく影響してくる。もう古い雑誌の昔話を読んで「夢が叶いそう!」なんて思わない方が良い。

 

自分たちが持っている能力を考えてみよう。英語力。資金。ビザが取れる学歴と職歴。これだけ揃ってやっとスタートラインである。実際に仕事を得るのはますます大変になっている。

 

何故なら上記3カ国はすでにもっと能力の高い人々が行きたがっている国でありあなたはまだ観ぬ諸外国の人々と競争して勝てるか?一般的には難しいと言わざるを得ない。

 

そしてこの状況が緩和されることはこれから数年はないだろう。何故ならこの3カ国は移住者の減少は起こり得る可能性は低く、地震や津波などが起こってしまえばそれこそ「じゃあやめた」である。

 

海外生活を夢みる人がいるけど、実際に可能かどうかは一人ひとりの条件によって違う。「あの子が永住権取れたから私も取れる」ではないのだ。

 

現地に来て弁護士に騙されて恥ずかしくてその事実は認めず結局ビザを取れずに「帰国報告会」というパターンもしょっちゅうである。

 

また永住権は取れたけど家賃や生活費に見合う給料を貰える仕事がない。そして家賃は毎年上がる。こうなると果たしてNZに住む意味はあるのか?という話である。

 

夢を持つことは良い。ただそれは実現可能性がどの程度あるのか、もう一度よく考えた方が良い。



tom_eastwind at 17:12│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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