2018年07月20日
IR法案
今国会はよくもまあ揉め事続きでしたな。超少数の野党が「俺の意見だけを通せ、通さないなら審議拒否!」と超多数の与党の意見を全く聞こうとしない。
あ、ちなみに「聞く」は耳が門の中にある、つまり門を塞いで耳を聞こえない状態とも言える。
つまり一番聞く耳持たないのは実は野党であるってのが国会審議の中で明確になり次の選挙、がんがれって話だ。労働組合の組織率も落ちてこれから増えていくフリーランスの団塊世代をどれだけ取り込めるかって話だ。
しかしネタはいろいろあるけどカジノ法案に賛成とか反対とかアンケート調査とか言ってるけど反対派は実際に海外でカジノに行った経験はあるのだろうか?
例えば僕が香港で仕事をしていた時日本からVIPが来ると「カジノ連れてけ」って依頼が舞い込んで来てマカオに連れていく。当時のカジノは数も少なくリスボアホテルに連れて行って通訳と遊び方の説明をした。
僕は「負けると分かってるゲームに参加する」のは興味はなく、なのでこういうカジノで博打をしたことはない。
だからお客様にご案内はするが自分ではゲームに参加せずビールを飲みながらその場の気の流れなどを観ていただけだ。
僕の博打はせいぜいが昭和の時代に飛び込み麻雀やってたくらいで、あれなら中國の「気」の勉強にもなるし夕食もビール飲みながら寿司からうな丼ラーメンまで座ったまま注文出来るし朝まで過ごせて便利であった。
当時のマカオは今のマカオからは考えられない程田舎であり繁華街も単なる石畳、道端では肩むき出しの白いTシャツを着てアイスクリームを売ってる子供がいた。
その頃の香港でもギャンブル中毒はいるわけでマカオのカジノの前には常に金貸しがいる。香港IDカードを質にして再度挑戦するがIDカードを取り返せるのは10人に2人くらい。
後の8人は金貸しの付け人(たいいーろん)が付いて一緒に香港の自宅アパートまで行き母親が泣くのも構わず子供の学校費用や食費を持っていく。その間ギャンブル中毒の父親は周囲に謝り続けるだけ。
要するにIR法案とか名前を立派にしても、どこの国でも何時の時代も博打は博打で胴元が負けることはなく常にゲームの参加者がカモにされ、さらに香港マフィアにカネを借りて事態を悪化させる。
IR法案とは最初にカモになるのが誰かを決める法律だ。どこに作るか、ホテルやレストランはどうするか、いろいろあるけど最後は博打をやりたいゲームの参加者をどう限定していくかだけである。
そのためにシンガポールでは地元民がカジノ狂いにならないように入場制限をするが、海外旅行でやって来た裕福なご夫婦はカジノで50万円くらいすってもディーラーは「さあさあ、カクテルもう一杯どうっすか?もう一試合!」とやる。
お互いの出来レースがカジノでありお互いが海外の一晩を楽しめれば良いのだ。
だからそこにギャンブル狂いになった一握りの人々への配慮でカジノを止めるなんて発想はない。もともとギャンブルで狂うほどに弱いのだから少人数である。
カジノを作ったらギャンブル狂いになるって言うなら日本ならむしろパチンコを問題にすべきだろう。僕はパチンコも全く興味がなく、あんな煙くて柄の悪いところでガラスを観ながらじっとしているってのは耐えられない。
だがむしろそれよりも「パチンコは民営博打である」と素直に認めない日本政府にも頭に来てた。母親が炎天下で車に赤ちゃんを残してパチンコ屋って子供を殺す事件など、本来はパチンコ行政を大幅に変更すべきだ。
博打は民間に任せると危険だからと自分たちが競艇競輪など公営博打をやり、その上がりは各省庁に入る。
そのくせ新宿あたりで客を丁寧に扱うバカラなどは目の敵にされて「逮捕!」となる。
要するにお上が甘い汁を吸える仕組みであれば名目は何でも良いのだ。
今回のIR法案は最終的にどこが仕切るのか?国交省かな?いずれにしてもどうせ作るなら上品な外国人家族が来てお父さんは昼間は学会、お母さんは子供と一緒にオプショナルツアー、夜はレストラン街とか屋台街で日本の美味しいものを食べてもらい、ほろ酔い気分のお父さんがカジノに行き快く負けて家族のいる部屋に戻る。そこにギャンブル中毒はいない。
いいではないか、よく出来た筋書きである。