2018年09月06日
キーウィセーバー
ニュージーランドでは通常の年齢になれば誰でも受け取れる年金とは別に若い頃から働いて老後の生活資金にしようと言う目的でNZ政府が設立したキーウィセーバーという年金がある。
設立当初から政府による拠出金、労働者と雇用者が資金を出し合う仕組みなどを作ってきたがその目的は老後の資金であるし初期投資で政府が多額の資金補填をしているから途中引き出しとか中途解約は出来ない。
ところがそんなのをいきなり吹っ飛ばすような今日のテレビ報道。ある白人の母親が自分の息子(地元大手スーパーで働いている)を彼の兄が住むイタリアへ旅行に行かせるためにキーウィセーバーを解約すると言い出したのだ。
どこまで馬鹿か分からんが最初にキーウィセーバーを契約した時点で条件は理解していたはずだ。また旅行に行かせるなら家族内で費用の対応を考えるべきだろう。
この母親は小奇麗な格好でインタビューに答えていたが、とにかく「私の息子のカネを返せ!」だけである。「あなたは契約した時に理解してSignしましたよね」と同席する息子に聴くと息子は軽い精神障害がありあまり分からずにSignしたとのこと。
確かに軽い精神障害はあるもののスーパーでの仕事はきちんとこなしており給料をもらい一人でイタリアに行くだけの判断能力もある。
なのに母親が異常なまでにキーウィセーバーに対してとにかく「私の息子はイタリアに行きたい。だからキーウィセーバーを解約する、何が悪いのだ!」である。
何せ全く理屈が通らない。
「息子のキーウィセーバーで預けたカネを返せ」
「いやそれは契約時点で老齢になるまで解約出来ない旨十分説明しましたよ」
「そんなの関係ない。息子の金は息子に返す、ただそれだけだ」
「そこまで言うならキーウィセーバー解約ではなく一時貸付とか」
「私は誰の同情も不要だ。」
ここまで来るともう意味不明である。要するに自分の思った事だけ主張する。それ以外の現実や事実は無視する。
米国の古い小話にこんなのがある。
身なりの良い中年女性が銀行に来て支店長室で大声で怒っている。
「私は小切手帳に小切手がたくさんあるのよ、どうして使えないの!?」
「奥様、小切手帳がありましても銀行に残高がなければ使えないのです」