2018年10月01日

田舎の武士伝説




江戸時代が終了した後も田舎では自分を主君に尽くす武士と思いこみ廃藩置県や維新後の主君が新政府に対して何か問題がある度それを聴いた高級官僚は「ははー!」と言って額を畳を擦りつけてすぐに下僚を使って細かい指示する、そんな右筆たちがいた。

 

おいおい時代は明治で場所は日本列島内である。時代は変わったのだ、刀を捨てよとなる。そういう法律できたんだから。

 

すると彼ら元武士はどこまでも「お上の声」を最優先して政府から来る交渉団とはにこにこするが全く違う腹を持っている。交渉と分かっているからだ。刀は捨てずに笑顔で人々と交渉するが維新政府の話はまともに聞かない。

 

だってそうだろう、彼らの主人は殿一人であり明治になって江戸に出来た新政府の言うことなど知るか、ということになる。

 

だから本人は真面目である。殿様からの手紙を見せて下級武士を鼓舞した。

 

結局新政府の仕組みに合わせて教育や軍備も刷新したが、本音は武士であると思い込んでる。だからその血が今も残っている。

 

そこである地方では藩勤めをするのが武士だと考えて「武士」と呼ばれたがるものは現代ではどこに勤めるか?県庁である。県庁が職業貴賤の中で最も高位なのだ。

 

県知事はボスと言いながらパラシュートで他所から来たり自分よりずっと年下で県政の実務を知らない。なのでそういう「当代藩主」は座敷に座らせて部下の言うことをそのまましゃべるだけの広報担当となる。

 

田舎の、しょむない職業貴賤の話である。



tom_eastwind at 10:12│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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