2018年10月10日
ビールに氷
日本ではまずやらないのがビールを飲む時ジョッキに氷を入れる習慣である。ビールはよく冷やしてストレートで飲むものと思っている多くの日本人からすれば海外でのビールの飲み方に違いが出るのは事実である。
例えば夜になっても30度前後の暑い香港で軒先屋台でビールとラーメンを注文すると氷入りビールが標準である。
もちろん同じ香港でもクーラーのガンガン効いた高級ホテルでは氷なしであるが、若い頃に軒先屋台で氷入りビールを飲んでいた人々は成功した今でも過去の味を好むようでウエイターに追加氷注文してたりする。
シンガポールでは屋台街に行き料理とビールを注文すると缶ビールと氷の入ったジョッキが渡されたものだ。
香港やシンガポールは飲み物を置いておくと一気にぬるくなる。そして暑い国で過ごす彼らからすればすっきりしたくて飲むビールがぬるくては全くすっきり出来ない。なのでビール本来の味どうこうよりも早飲みでいくからビールが冷えたまま本来の味を楽しめて軒先屋台で幸福になれるのだ。
インドでは30年ほど前に宮殿列車と呼ばれる豪華列車でもビールを注文するとぬるかった。ウエイターに「冷たいビールはないのか?」と聴くとちょっと待ってろという仕草と共に冷凍庫にビール入れてた。
これがニュージーランドに来ると全く違うビール文化がある。大手で作ったビールが一応全国標準であるが、地方に行くと地元で作ったビールのみを置いていたりする。しかし氷を入れる習慣はない。
基本的にNZは寒い国なのでビールそのものをゆっくりと楽しめる。
更に各地ではクラフトビールがあるが、オークランドシティのど真ん中にはベルギービールを飲ませる店がある。これが旨い。そしてムール貝の蒸し物をバケツ状のようなものに入れて出てくる料理は実にビールと合う。
そして欧州からの移住者が多かったNZでは欧州各地のビールがあり、大きく分ければビールもピルスナーとエールがあるが、とくにエール好きのドイツ系のバーでは言えば常温で出してくれて、エールそのものが持つ香りを楽しめる。
特に最近のオークランドではスポーツバーでもクラフトビールにこだわりを見せている。クラフトビールが発展し流通網が整備されて随分便利になった。
ビールに氷から常温ビールまで地域によって様々な飲み方があるわけでエールの常温飲みとか熱い風呂から上がってすぐに氷の入ったビールを一気飲みしたりとか、日頃のビール神話を少し見聞を広げてみるのはいかがだろうか。