2018年10月12日
大家は辛いよ
今から20年くらい前まではニュージーランドはのんびりした国でキーウィが一生懸命働いたら家を買ってワーホリや留学生、若いキーウィカップルに貸してその家賃で生活費の一部として一年に一回旅行に行くなどして生活を楽しんでいた。
ところが5年ほど前からだろうか、テナントの質が下がりすぐに追い出しても部屋はボロボロ、トイレは水つまり、修理費を請求しても捕まらない、たまに捕まってもカネを払わないで大迷惑である。
昔のテナントはもう少しマシだったと思うんだけど、テレビを観てボロボロの部屋に「なんじゃこりゃ!」である。麻薬やってパーティやって酔っ払って壁を蹴ったりしているんだろうな。
追い打ちをかけるように労働党政権が近いうちにテナント法を変更して、今までは90日以内に強制退去可能だったのが大家が正当な理由を説明出来ない限り強制退去することが出来なくなる。
大家もすでに予防策として新しくテナントとして入居を希望する人は本人の身元確認や収入確認を行っている。日本だと当然だろうが今までのNZではあまり一般的ではなかった。
第一いくら身元確認が出来てもジョブホッピングが普通な社会では求職中は家賃が払えないわけで取り漏れが発生する。友達が来てパーティして誰かがタバコを吸えば壁にやにの匂いが染み込む。
匂いと言えば最近のフラットメイト募集で「インド系の方の訪問はお互いに時間のムダになるので連絡しないで下さい」とはっきり書いてた。これなどはカレーの匂いが部屋中に染み付くだけでなく両隣にも強烈な匂いが拡がり、それを気にすることなく住み着くインド系は大家として到底やっていけないって事だ。
つまり昔のようにオーナーが全ての権利を持ちテナントと仲良く生活をしていくという絵図はオークランドではすでに崩壊中なのだ。
現在でさえオーナーは家賃回収と物件維持で一生懸命なのに労働党が新しい法律を導入するとこれからは誰が入るか分からないから怖くて貸せない。
そこで現在は今まで賃貸していた物件を売ってしまいもっと利回りが良くて自分がバタバタしなくていいようにしたい、そういう方向に向かっている。
これから大家さんになろうとする人はその苦労をよく理解した方が良い、何せ既存大家が撤退する時代である。