2018年10月15日
沈みゆく関西空港
これは台風被害を受けたという意味ではなく本当に関空が1994年開港当初から地盤沈下している事実だ。
関西空港第1ターミナルのある一期島が開港から現在までに3.43メートル沈んでいる。だから開港当初から地下のオフィスでは「ドアが開かない」とか「傾いている。ゴルフボールを床に落とすと動く」と言われてた。これは業界の内輪話として有名である。
これは関空も政府も好ましい情報ではないので国民には出来るだけ最低限の情報を与えて最後には「大丈夫です、お上がやっている仕事ですから」となる。
B滑走路がある二期島がすでに4.14メートル沈下。オフィスビルのまるまる一階分が海に沈んだ計算になる。
昨年1年間では一期島が6センチ、二期島は30センチも沈んだ。
もちろん関空もこれに対応して油圧ジャッキアップや護岸の嵩上げをやっている。一期島5メートル、二期島3メートル。ところが元々地盤の弱い海の上に、つまり砂の上の空港だったわけで、そりゃ毎年沈むわ。
地盤沈下の件は当初から認識されていたが無視されていた。「まあゆっくり沈んでくれたまえ、問題がある頃僕は担当じゃないから」と誰かが言いそうだ。
そして今回の台風で高潮は5メートルの護岸を軽く乗り越えたと言うが、要するに5メートルの護岸を作っても3.43メートル沈めば残りは1.57メートル。そんなもん、高波が一発来ればOUTである。今回の高潮は潮位が3.29メートル。そりゃ沈むわな。
関西空港はLCCなどが利用することで利用率を伸ばして来たが、肝心の空港が海の中になると今後どうするのか?護岸工事をしては沈み、また護岸工事を行うのか。そのうち周りを海に囲まれた空っぽの金魚鉢になってそこに急降下で旅客機を着陸させるのか?
何でここに空港を作ったのかなどと野暮な事は言うまい、それは大阪と言う街の政治家、東京の官僚、地元利権団体などの人間関係だからだ。彼らからしたら建設費用など関係ない、今いくら自分のポケットにカネが入るかだけである。
だから彼らは地盤沈下しようがそのまま沈もうがどうでも良いことである。自分の利権さえ守れれば良いのだから。