2019年02月04日

風見鶏移民局またはヒラメ。

昨日の夕方のニュースである移民家族が移民局に永住権申請を拒否されて今年7月までには退去することという命令が出た。

 

https://nzdaisuki.com/news/general/3447-2019-02-01-2

 

詳細は上記記事にあるが、問題はこの決定は理屈も何もない単なる移民局担当者の判断でありやってる本人だって分かっているはずだってことだ。

 

この家族がNZに移住して来た時はLTBV,起業家ビザを申請した。当時のポリシーは雇用と売上が大事だった。そしてこの家族は一生懸命働いて雇用も売上げも伸ばした。

 

なのに何が問題だったのか?それは同じ規定の隅っこに書かれてあり当時は見向きもされなかった「NZ国家への貢献」である。しかし起業家ビザ枠が作られた当時はNZの赤字企業を黒字にするとか雇用創出、そして売上を伸ばして消費税やPAYEを払えば良かった。だから申請する人は自分で考えていけると思って起業家ビザを申請した。

 

つまり家族は自分たちが起業家ビザを取得した時に移民局と約束した内容を守れば良いと考えていたが、移民局は後出しジャンケンのようにルールを変えてきて今回彼らの申請をはたき落としたってことだ。

 

法の不遡及という原則がある。未来に作った規則を過去に遡って適用してはいけないという事だ。

 

けれど日本人の多くが勘違いしているがNZの移民局は世界からの移民希望者に対して平等に扱う場所ではない、あくまでも移民局がビザの発行を通じて経済発展をすると言う為に活動している「販売促進局」であることだ。

 

そしてその経済発展の方法は政権や民衆の声で大きく動く。決して正義や平等からではない。だからNZに移住したい中国人に合わせて制度を作った。

 

なので国民党時代に起業家ビザを作った時は中国人が相当数利用した。ところがこの枠で入って来た中国人が良からぬことをした。そこで起業家ビザで入国して来た人々には永住権の発行を実質的に止めた。

 

本来なら彼ら外国人の為に門戸を開いたわけで、ならばもう少し個別の事情を配慮すればよいものを、全員を「落とすための審査」に切り替えた。

 

あまりに単純すぎないか?とは思うのだが移民局自体が下っ端の部局でありお上が決めた事にはさからえない。落とす比率は98%、これでは何のためにこのビザを作ったのだと思うが、これが世の中の現実だ。移民局はNZの経済発展部門なのだから。

 

それにしても家族、あと一年早く来てれば永住権は取得出来た。何時も言うことだが、ビザはとにかく後ろから追っかけてくる。だからこそ「ビザは取れる時に取れ」という話になるのである。



tom_eastwind at 17:23│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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