2019年02月06日

目を閉じて行けよ

戦前の日本から米国に移民した人々の話は石川達三の「蒼氓」から始まり「442部隊物語」、戦後のハワイで米国と日本のために尽くしたダニエル・イノウエ、たくさんある。

 

彼らは片道切符でやって来て日本語の通じない米国で飯も食えないほど貧困の中、子どもたちに教育を与え、子供の世代で何とか米国で大学に入れて自分たちで生活出来るようにさせた。

 

つまり両親からすれば自分たち移民一世の貧乏生活などよりもこれから米国で成長していく子どもたちのために朝から晩まで働いていたのだ。

 

当時の移民一世には今の移住者と違い「家族のために移民した」という認識があるから「自分が思ってたのと違う」なんて認識不足があるなら周囲を変えてしまえと考える。だからそこには「逃げる」という選択肢はない。

 

なのにここ数年の日本からやって来た移民は結局「自分が思ってたのと違う」から日本に戻ると言うが、ならば移住していた期間に子供はNZで友達が出来たのにそれは良いのか。自分の計算が甘かっただけの話だろう。

 

思ってたのと違うのは両親の話であって、親の勝手な都合でやって来て自分がNZに合わないから日本に帰るって日本で「帰国報告」したりするけど、それってあまりに身勝手ではないか??

 

要するに日本を出る時は「家族のために!」と立派な事言って出てきたが、結局考えているのは自分の事だけだ。そんなところの子供はどんな気持ちなのか?

 

親が本当に子供の生活を考えて移住するなら自分の生活なんて無視するのが普通だろ、なのに何故自分のプライドだけ考えて自分の生活のことだけ考えて、これから子どもたちにとっては大変になる日本に戻るのか?

 

日本が抱えている問題は山積みである。少子高齢化、健康保険の切り下げ、年金がなくなる、サービス残業に低賃金。そんな場所に子供を放り込んで子供が苦しい生活をすればどうするのか?同時期にNZに移住して親が歯を食いしばって子供のために働き子供がNZで生活をしているのを自分の子供が観たらどう思うか?

 

この問題は昔から機会がある度に書いているが、移住とは父親が子供や家族のために行うことだ。そこに父親の人権や生活権なんてない。寝るな、死ぬまで働け、頭が擦り潰れそうになるまで考えろ。

 

日本に帰る前にやれることはいくらでもある。



tom_eastwind at 20:18│Comments(0)

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